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岡部先生提出資料(会議後セット版) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第86回 6/1)《厚生労働省》
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小児における新型コロナウイルス感染症の課題について
2022 年 6 月 1 日
阿南英明、今村顕史、太田圭洋、岡部信彦*、尾身 茂、釜萢

敏*、舘田一博、中島一敏、

前田秀雄、脇田隆字、岡田賢司*、谷口清州*、多屋馨子*、峯 真人*、森内浩幸*
(*小児科医)
新型コロナウイルス感染症と小児*
新型コロナウイルス感染症はいわゆる第 5 波までは小児での感染者数は大人に比較する
と少なく重症者も稀であるとされていたが、第 6 波においては感染力の強いオミクロン株
への置き換わり、大人におけるワクチン接種率の増加と感染による免疫保有者(一部不十分
であっても)の増加等から、小児感染者の増加が目立ち、学校教育、学校行事、休園・休校・
学級閉鎖等に伴う保護者を含んだ日常生活への圧迫などが目立った。また、感染者が激増す
ると、軽症者が圧倒的多数とはいえ、熱性けいれん、クループなどの合併症が目立ち始め、
また極めて少数ながら入院患者や、死亡例も出ている(2022 年 5 月 10 日時点の厚労省の
集計で、10 歳未満 6 例、10 代 8 例)

発育途上にある小児に対して、過剰な警戒を強いることなく、一方では小児における感染
の拡大を避け、感染した場合でも早期発見し、早期に医療に結び付け重症化をできるだけ防
ぎ、保護者を含め日常生活をできるだけ保つようにすることは時に困難を伴うが、小児の健
やかな発育発達のために我々大人が努力すべきことである。
*ここでいう小児とは、幼児・学童・中学生年齢程度を想定している
◎現在薦められること
1.小児の日常生活でのマスクをどう考えるか
呼吸器感染症予防としてのマスク着用の有用性は明らかであるが、米国の調査では学校
において教師も生徒も universal masking することでの感染予防効果は 23%、そして低学年
になるほど教師・生徒の universal masking 効果は減衰する(MMWR 2022; 71(10): 384-9)と
ある。そのメリットとマスク着用のデメリットはきちんとその場と、バランスをとって考え
るべきである。2 歳未満や、それ以上の年齢であっても自分でマスクの着脱ができない場合、
マスク着用はむしろ危険となる場合がある。呼吸が苦しくなり顔色が悪くなっても周囲は
気付きにくい。マスクしたままで嘔吐すると誤嚥や窒息の恐れがある。健康な子どもでも運
動の時や炎天下での戸外活動であれば、マスクは熱中症のリスクを著しく増大させる。さら
に、幼児においてはマスク着用で表情の読み取りが学習できなくなる弊害を示す研究報告
もある(Front Psychol 2021; 12: 669432)。
文科省では、衛生管理マニュアル等において「マスク着用が不要な具体的な場面の例」を
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