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感染症週報 2026年第20週(5月11日-5月17日) (11 ページ)
出典
| 公開元URL | https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/idwr/2026/index.html |
| 出典情報 | 感染症週報 2026年第20週(5月11日-5月17日)(5/29)《国立感染症研究所》 |
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Infectious Diseases Weekly Report Japan
2026年 第20週
(5月11日〜 5月17日)
:通巻第28巻 第20号
りであった(175例中89例)。なお、2回接種歴のある麻しん症例も一定数報告されているが、接
種回数別の症例数のみを単純に比較してワクチン接種の有益性を評価することはできない。特
に若年層では2回接種歴のある者が接種歴のない者を大きく上回っていることを踏まえると、
2回接種者では麻しんの発症リスクは相対的に低いと考えられた。我が国では、麻しんに対す
る定期接種が1978年に開始され、2006年度からは現行の定期接種スケジュールである麻しん
の第1期および第2期の2回接種が実施されている。
また、2026年5月20日現在、上記の498例のうち341例から検出された麻疹ウイルスの情報が
感染症サーベイランスシステムに報告されており、遺伝子型の内訳はB3型132例(39%)、D8型
209例(61%)であった。
ヨーロッパ地域では2024年に麻しん患者の増加がみられ、カナダでは2025年に麻しん排除状
態の喪失が確認されるなど、世界各国で流行状況の変化が認められている。海外渡航を予定す
る際には渡航先の流行状況や自身の予防接種歴を確認の上、必要に応じてワクチン接種を受
けることが重要である。
また、国内では、学校における感染事例や不特定多数が集まる施設等での患者発生を受け、
複数の自治体から注意喚起が行われている。国内における感染拡大の防止のためには、個人の
予防と集団免疫の維持のために、予防接種法に基づく麻しん風しん混合(MR)ワクチンの2回
の定期接種の徹底が最も重要である。加えて、感染者の早期探知と迅速な対応も欠かせない。
接触者への二次感染を防ぐためには、麻しん患者の適切な診断、1例でも報告された時点で各
関係機関の協力のもとで行う迅速な接触者調査と対応、地域の医療機関への情報伝達と住民
に対する予防のための啓発が重要である。特に、患者の広域移動や県境を越える接触者が想
定される場合には、医療機関情報や行動歴等を含めた各関係自治体間での迅速な情報共有が
必要である。
麻しん患者の報告がある地域や海外渡航者を診察する可能性のある医療機関においては、院
内感染対策のさらなる徹底が重要である。また、麻しん患者とその接触者と接触する機会があ
る事務職員等を含む病院関係者全員へのワクチン接種歴・罹患歴の調査や、必要に応じたワ
クチン接種が推奨される。また、麻しん患者との接触があった者に対しては、接触後72時間以
内であれば発症予防の可能性があることから、ワクチン接種を検討することが重要である。さ
らに、麻しん患者との接触のある者が発熱などの体調不良を自覚した場合には、二次感染防止
のため、麻しんの可能性があることを事前に医療機関に電話で伝え、可能な限り公共交通機関
の利用を避けた上で受診することが重要である。
麻しんは空気感染するため、手指消毒やマスクのみでは予防することができない。さらに感染
力が非常に強く、発熱が出現する前から感染性があることから、1例の麻しん患者を起点とし
て、同一施設や地域で患者数が増加した事例も報告されている。このため、今後も患者の発生
が続く可能性があると考えられる。繰り返しになるが、麻しんの感染拡大を防ぐためには、発
生時の迅速な対応だけでなく、定期接種の対象年齢である1歳児および小学校入学前1年間の
幼児におけるMRワクチンの2回接種の徹底が重要である。麻しんに罹患したことがなく予防接
種を受けたことのない者についても、かかりつけの医師にワクチン接種について相談することも
重要である。
また、日本は麻しん排除状態を維持しているものの、海外からの輸入例を契機として散発的
に集団発生が生じる可能性があり、人の移動や交流が活発化する場面では特に注意が必要で
ある。本年は第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)など国内外から多くの人々が集ま
Ministry of Health, Labour and Welfare / Japan Institute for Health Security, National Institute of Infectious Diseases
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(5月11日〜 5月17日)
:通巻第28巻 第20号
りであった(175例中89例)。なお、2回接種歴のある麻しん症例も一定数報告されているが、接
種回数別の症例数のみを単純に比較してワクチン接種の有益性を評価することはできない。特
に若年層では2回接種歴のある者が接種歴のない者を大きく上回っていることを踏まえると、
2回接種者では麻しんの発症リスクは相対的に低いと考えられた。我が国では、麻しんに対す
る定期接種が1978年に開始され、2006年度からは現行の定期接種スケジュールである麻しん
の第1期および第2期の2回接種が実施されている。
また、2026年5月20日現在、上記の498例のうち341例から検出された麻疹ウイルスの情報が
感染症サーベイランスシステムに報告されており、遺伝子型の内訳はB3型132例(39%)、D8型
209例(61%)であった。
ヨーロッパ地域では2024年に麻しん患者の増加がみられ、カナダでは2025年に麻しん排除状
態の喪失が確認されるなど、世界各国で流行状況の変化が認められている。海外渡航を予定す
る際には渡航先の流行状況や自身の予防接種歴を確認の上、必要に応じてワクチン接種を受
けることが重要である。
また、国内では、学校における感染事例や不特定多数が集まる施設等での患者発生を受け、
複数の自治体から注意喚起が行われている。国内における感染拡大の防止のためには、個人の
予防と集団免疫の維持のために、予防接種法に基づく麻しん風しん混合(MR)ワクチンの2回
の定期接種の徹底が最も重要である。加えて、感染者の早期探知と迅速な対応も欠かせない。
接触者への二次感染を防ぐためには、麻しん患者の適切な診断、1例でも報告された時点で各
関係機関の協力のもとで行う迅速な接触者調査と対応、地域の医療機関への情報伝達と住民
に対する予防のための啓発が重要である。特に、患者の広域移動や県境を越える接触者が想
定される場合には、医療機関情報や行動歴等を含めた各関係自治体間での迅速な情報共有が
必要である。
麻しん患者の報告がある地域や海外渡航者を診察する可能性のある医療機関においては、院
内感染対策のさらなる徹底が重要である。また、麻しん患者とその接触者と接触する機会があ
る事務職員等を含む病院関係者全員へのワクチン接種歴・罹患歴の調査や、必要に応じたワ
クチン接種が推奨される。また、麻しん患者との接触があった者に対しては、接触後72時間以
内であれば発症予防の可能性があることから、ワクチン接種を検討することが重要である。さ
らに、麻しん患者との接触のある者が発熱などの体調不良を自覚した場合には、二次感染防止
のため、麻しんの可能性があることを事前に医療機関に電話で伝え、可能な限り公共交通機関
の利用を避けた上で受診することが重要である。
麻しんは空気感染するため、手指消毒やマスクのみでは予防することができない。さらに感染
力が非常に強く、発熱が出現する前から感染性があることから、1例の麻しん患者を起点とし
て、同一施設や地域で患者数が増加した事例も報告されている。このため、今後も患者の発生
が続く可能性があると考えられる。繰り返しになるが、麻しんの感染拡大を防ぐためには、発
生時の迅速な対応だけでなく、定期接種の対象年齢である1歳児および小学校入学前1年間の
幼児におけるMRワクチンの2回接種の徹底が重要である。麻しんに罹患したことがなく予防接
種を受けたことのない者についても、かかりつけの医師にワクチン接種について相談することも
重要である。
また、日本は麻しん排除状態を維持しているものの、海外からの輸入例を契機として散発的
に集団発生が生じる可能性があり、人の移動や交流が活発化する場面では特に注意が必要で
ある。本年は第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)など国内外から多くの人々が集ま
Ministry of Health, Labour and Welfare / Japan Institute for Health Security, National Institute of Infectious Diseases
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