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感染症週報 2026年第20週(5月11日-5月17日) (10 ページ)

公開元URL https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/idwr/2026/index.html
出典情報 感染症週報 2026年第20週(5月11日-5月17日)(5/29)《国立感染症研究所》
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Infectious Diseases Weekly Report Japan

2026年 第20週
(5月11日〜 5月17日)
:通巻第28巻 第20号

注目すべき感染症
◆麻しん 2026年第1~20週(2026年5月20日現在)
麻しんは麻疹ウイルスを病原体とする感染症であり、高熱、全身の発疹、カタル症状を特徴
とする。主に空気感染・飛沫感染・接触感染を感染経路とし、感染力は非常に強い。乳幼児
が麻しんに罹患した時に合併することが多い麻しん肺炎、麻しん患者1,000~2,000人に一人の
割合で合併する麻しん脳炎は麻しんによる主要な死亡原因である。また、主に乳児期に麻しん
に罹患・回復した後、数年~十数年の期間を経て、重篤な亜急性硬化性全脳炎(subacute
sclerosing panencephalitis:SSPE)を発症することがある。麻しんに対する特異的な治療法
はなく対症療法が中心となるが、予防接種を受けることで、麻しんの発症を防いだり、かかっ
たとしても重症化を予防することができる。日本は2015年にWHOの西太平洋地域麻しん排除
認定委員会より麻しん排除状態にあると認定され、その後も2024年まで排除状態の維持が確
認されている。排除状態を維持するために麻しんに関する特定感染症予防指針(平成19年厚生
労働省告示第442号:https://www.mhlw.go.jp/content/000503060.pdf)が定められている。
本稿は、主に感染症発生動向調査に基づく国内の麻しんの疫学状況に関する直近の情報を提
供することを目的としてまとめたものである。
2026年第1~20週に診断された麻しんの累積報告数(2026年5月20日現在)は498例であり、
2020~2025年のいずれの年の同期間累積報告数も上回った。診断週別にみると、第1~4週は
0~5例であったが、その後報告数は増加し、第11~14週は28~39例、第15~17週は62~71例
と高い水準で推移した。第18週以降は17~23例に減少しているが、大型連休に伴う届出状況
への影響を考慮すると、引き続き動向の注視が必要である。
報告された498例のうち、495例が届出に必要な病原体診断を満たした検査診断例であり、
うち、主たる臨床3症状(発疹、発熱、カタル症状)すべてを満たす典型的な「麻しん」が319例、
臨床3症状のうち、1つもしくは2つを満たす「修飾麻しん」が176例であった。性別では男性
322例、女性176例であり、年齢中央値は26歳(範囲0~65歳)であった。27都道府県から報告
があり、都道府県別の報告数は、東京都で244例、神奈川県で46例、埼玉県で38例、鹿児島県
で34例、千葉県で31例の順に多かった。第15週以降を都道府県別にみると、東京都からの報
告数が大幅に増加し、神奈川県、埼玉県、千葉県からの報告が各週1~10例で継続していた。
推定感染地域は国内が 360 例(うち都道府県不明 58 例)、国外が 39 例(インドネシア 14 例、
ニュージーランド7例、インド4例、ベトナム3例、台湾2例、英国1例、韓国1例、シンガポール
1例、フィリピン1例、米国1例、マレーシア1例、インドネシア/シンガポール1例、ベトナム/タ
イ1例、フィンランド/イタリア/フランス1例)、国内/国外が9例〔千葉県/ニュージーランド
4例、千葉県/韓国1例、東京都/ベトナム1例、東京都/インドネシア/シンガポール/香港1例、
愛知県/トルコ/カナダ/ドイツ1例、国内(都道府県不明)/ベトナム1例〕、国内・国外不明が
90例であった。医療機関や保健所等により収集されたワクチン接種歴について、1~5歳(第1期
定期接種済み年齢群)
と、6歳以上
(第2期定期接種済み年齢群)に分けた接種歴は、1~5歳の
13例では、接種歴なしが9例、1回が3例、2回が1例であった。一方、6歳以上の478例では、接
種歴なしが63例(13%)、1回が62例(13%)、2回が158例(33%)、不明が195例(41%)であった。
2回接種歴ありの159例のうち麻しん(検査診断例)は69例、修飾麻しんは89例、麻しん(臨床
診断例)は1例であった。接種歴なしの72例のうち、麻しん(検査診断例)は68例、修飾麻しん
は4例であった。病原体診断を満たした報告例のうち、典型的な麻しんでは接種歴のない症例
が多く(313例中68例)、修飾麻しんでは、接種歴のない症例は4例のみで、大半が2回接種歴あ

Ministry of Health, Labour and Welfare / Japan Institute for Health Security, National Institute of Infectious Diseases

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