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3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について(先-3-4)[704KB] (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00111.html
出典情報 先進医療会議(第149回 12/4)《厚生労働省》
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FMT治療開始後8週時における寛解率は45.9%であり、帰無仮説として設定した閾値21%を
上回り、A-FMT 療法の有効性が確認された(p=0.0006)。FMT治療開始後8週時における
MMDAIおよびMayo Scoreの各サブスコア(排便回数、血便、内視鏡所見、医師による全般
的評価)についても、適格性確認時から統計学的に有意な改善が認められた(いずれもp
< 0.0001)。主要評価項目および副次評価項目において、一貫性のある改善効果が確認さ
れた。
本研究とヒストリカルコントロールとして設定した外部対照の患者背景については、臨
床的に寛解率の低い(寛解が困難な)全大腸型の比率が本研究に参加したA-FMT群で高い
(A-FMT群24/37、レクタブルプラセボ群5/39)結果であったが、A-FMT療法に優越性を認
める寛解導入効果が確認された。
○安全性の評価結果
併用抗菌薬の初回投与日からFMT治療開始後8週までの観察期間において、死亡に至った
有害事象及び重篤な有害事象の発現は認められなかった。有害事象は56.8%(21/37例)
に発現し、軽度(16例、20件)、中等度(9例、10件)、高度(1例、1件)であった。高頻
度(10%以上)に発現した有害事象は、下痢(7/37例、18.9%)、肝機能異常(4/37例、10.8%)
であり、FMTとの因果関係は否定され、全て回復した。FMTに起因すると判定された有害
事象は発熱(1/37例、2.7%)のみであり、高頻度に発現した有害事象(下痢1例を除く)
は全例抗菌薬に起因するものであった。高度と判定された有害事象は腹痛1例(2.7%)の
みであり、回復した。バイタルサインや臨床検査値の推移からも、特筆すべき安全性の
懸念は認められなかった。
本研究の対象患者に対するA-FMT療法の高い安全性が確認された。
○結論
本研究の主要評価項目において、FMT治療開始後8週時における寛解率は45.9%であり、
帰無仮説として設定した閾値21%を上回り、A-FMT 療法の有効性が確認された
(p=0.0006)。副次評価項目のMMDAIおよびMayo Scoreの各サブスコア(排便回数、血便、
内視鏡所見、医師による全般的評価)についても、ベースラインからの変化量に統計学
的に有意な改善が認められた(いずれもp < 0.0001)。主要評価項目および副次評価項目
において、一貫性のある改善効果が確認された。安全性に大きな問題はないことから、
A-FMT療法は5-ASA製剤に効果不十分又は不耐となった左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎
患者に対して、有用な治療法になり得ることが示唆された。

2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和7年 11 月 13 日(木)16:00~
(第 181 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
順天堂大学医学部附属順天病院から提出のあった総括報告書について、先進医療
技術審査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、重要な指摘事項、総評
としての概要は以下のとおりであった。
○5-ASA 製剤に効果不十分又は不耐となった軽症から中等症の左側・全大腸炎型
の潰瘍性大腸炎患者に対して、抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法を多施設単群
試験により評価し、優れた寛解率と安全性を示した。患者背景や時代背景な
どが異なるものの、ヒストリカルコントロールと比較しても寛解率が高く、
本疾患の治療オプションの一つとして期待される。今後、適切な治療タイミ
ングや患者層、ドナーや移植材料確保の体制など、検討が必要である。
○単群であるが、ヒストリカルコントロール群における有効性を参考として研

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