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参考資料2-2 : 日本脳卒中学会要望書 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63268.html
出典情報 生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議(第13回 9/11)《厚生労働省》
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第5回 生命科学・医学系研究等における個人情報
の取扱い等に関する合同会議

令和7(2025)年9月11日

ゅ The Japdn Stroke Sociefy

一般社団法人 日本脳卒中学会

〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町一] 目 10番4号丸石ビルディング 4 階
Tel : 03-3251-6800 Fax : 03-3251-6700 E-mail : jssoffice@jsts. gT. jp

令和7年6月 27 日
生命科学・医学糸研究等における個人情報の取り扱い等に関する合同会議 御中

ー般社団法人日本脳卒中学袋言|た

理事長 藤本 聞

にイドri 41

日本脳卒中学会 要望書

人を対象とする生命科学・医学系研究に関する備理指針 (以下、倫理指針) について、貴合同会議にお
かれまして以下の点につき、どご検討・ご対応いただきたく、要望いたします。

要望内容

現行の倫理指針ガイダンス「第 4 章第 8 の 7] (ガイダンス 119 ページ) では、研究対象者等の同意
を受けずに研究を実施することができる条件が示されていますが、その具体例として「重症頭部外傷や
心停止の状態など]」 が挙げられています。

この例示に、脳卒中についても明示するよう、 文言の修正・追加を要望いたします。 脳卒中は、治療
に緊急を要する一方で、死亡例ゃ多く、生存する例であってる様々な脳機能障害のため、導大ある生の
実現に極めて深刻な影響を及ぼしうる疾患です。しかし、現在の標準治療は治療方法としてまだ極めて
不十分な状況が続いています。そのため、その医療的・倫理的緊急性は、他の明示例 (宣症頭部外傷や
心停止) と同等といえます。

なお、現在 AMED 研究班 (令和 7-12 年度研究倫理・社会共創推進プログラム A-1 : 研究倫理分野
福田班) では、脳卒中・急性期疾患における臨床試験の同意プロセスの適正化に関するガイダンス作成
が予定されています。この取り組みは倫理指針および本要望の趣旨と整合するものであり、患者・研究
対象者保護と意思尊重を図り、倫理的・科学的に適切な研究の推進に資することを目的としています。

育景と根拠

1. 現状と課題

脳卒中は、発症から治療までの時間が極めて限られており、治療のタイミングを逸し、 病状が進行す
れば、死亡や重度障害をもたらす可能性のある疾患です。しかし、発症時には意識障害や失語、高次脳
機能障害を呈しているケースが多く、本人からのインフォームド・コンセント (iC) 取得は困難です。
さらに、突然の発症で家族等が治療開始時に同席していないこともゃ多く、代諾者による同意取得も現実
的に難しいケースが少なくありません。そのため、国内では IC を取得したうえで行う脳卒中の超急性
期臨床試験の実施が著しく制限されてしまい、 愚者利益の実現や科学的エビデンスの創出を妨げる深刻
な事態となっています。

2. 海外規制・海外動向との比較

同様の課題は海外でも議論の対象となり、米国では米国食品医薬品局(FDA) によるIEFIC(Exception
from Informed Consent)」 (1C 免除の特例) 制度、欧州諸国やカナダ・オーストラリアでは [Deferred
Consent| (繰延同意) の棒組みの下で、 脳卒中の研究において事前同意免除や同意簡略化の制度が利用
されています。