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(先-1)先進医療Bの総括報告書に関する評価について[676KB] (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00108.html |
出典情報 | 先進医療会議(第146回 9/4)《厚生労働省》 |
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医療技術の試験結果:
○有効性の評価結果
Primary endpoint の OS は、mOS が A 群 11.0 か月、B 群 10.8 か月で有意差は認められ
ず、B 群(ddTMZ-BEV 逐次併用療法)の A 群(BEV 療法)への優越性は検証されなかった。
Secondary endpoints では、無増悪生存期間(PFS)は、中央値(mPFS)が A 群 4.0 か
月、B 群 2.0 か月と A 群が長く、6 か月 PFS(6m-PFS)も A 群 34.2%(に対し B 群 15.1%
であった。B 群では約 3/4 の患者で初回の MRI で腫瘍の増悪(PD)を認めた。BEV 開始後
の mOS は、A 群 10.8 か月、B 群 8.0 か月で A 群が有意に長く、BEV 開始後の mPFS は A 群
4.0 か月、B 群 3.2 か月、6m-PFS は A 群 37.5%、B 群 17.2%と、A 群で長い傾向が見られ
た。
一次治療の完全奏効割合(中央判定)は、A 群 9.7%、B 群 1.5%、B 群二次治療は 1.7%
であった。一次治療の奏効割合(中央判定)は、A 群 38.7%、B 群 4.6%、B 群二次治療は
17.2%であり、一次治療は A 群で高い奏効割合を認めた。また BEV 療法の奏効割合も初回
再発時の方が 2 回目再発時より高い結果であった。
治療開始後 16 週目の MMSE 非悪化割合は、A 群 40.6%、B 群 19.4%であり、治療開始後
16 週目の KPS 非悪化割合は、A 群 48.6%、B 群 26.4%とともに有意に A 群での方が良好で
あった。
本試験に参加した患者の初回手術からの mOS は A 群 25.3 か月、B 群 24.7 か月であっ
た。
○安全性の評価結果
本試験では A 群にプロトコール治療完了を設けておらず、B 群で一次治療完了の定義
に合致したのは 2 例であった。プロトコール治療に関連した治療関連死(TRD)が A 群で
1 人、B 群で 2 人(二次治療に伴う頭蓋内出血)に発生した。B 群の一次治療(ddTMZ)
でプロトコール治療に関連した TRD の発生はなかった。
○結論
初回手術後の放射線治療併用TMZ療法を施行後の、初回再発膠芽腫に対する用量強化
TMZ療法と再発後のBEV療法(ddTMZ-BEV逐次併用療法:試験治療)は、BEV単独療法(標
準治療)に比してprimary endpointの全生存期間は上回らず、secondary endpointsも有
効性評価項目ではいずれもBEV単独療法より下回る結果であった。安全性評価項目では高
度な有害事象やTRDの発症割合は両群とも低く、安全性には差がなかったが、本試験結果
からは試験治療の有効性は検証されず、初回再発膠芽腫に対しては引き続きBEV単独療法
が標準治療であると結論された。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和7年8月 21 日(木)16:00~
(第 178 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
杏林大学医学部付属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審
査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、重要な指摘事項、総評として
の概要は以下のとおりであった。
○ 本研究結果からは、試験治療の有効性は検証されず、OSに関するサブグルー
プ解析でも有効性を示す集団は明らかとはならなかった。
○ 本研究からは、初回再発膠芽腫に対しては、現在の BEV が標準治療であるこ
とが示唆されたが、再発膠芽腫は依然として予後不良な疾患であるため、今
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○有効性の評価結果
Primary endpoint の OS は、mOS が A 群 11.0 か月、B 群 10.8 か月で有意差は認められ
ず、B 群(ddTMZ-BEV 逐次併用療法)の A 群(BEV 療法)への優越性は検証されなかった。
Secondary endpoints では、無増悪生存期間(PFS)は、中央値(mPFS)が A 群 4.0 か
月、B 群 2.0 か月と A 群が長く、6 か月 PFS(6m-PFS)も A 群 34.2%(に対し B 群 15.1%
であった。B 群では約 3/4 の患者で初回の MRI で腫瘍の増悪(PD)を認めた。BEV 開始後
の mOS は、A 群 10.8 か月、B 群 8.0 か月で A 群が有意に長く、BEV 開始後の mPFS は A 群
4.0 か月、B 群 3.2 か月、6m-PFS は A 群 37.5%、B 群 17.2%と、A 群で長い傾向が見られ
た。
一次治療の完全奏効割合(中央判定)は、A 群 9.7%、B 群 1.5%、B 群二次治療は 1.7%
であった。一次治療の奏効割合(中央判定)は、A 群 38.7%、B 群 4.6%、B 群二次治療は
17.2%であり、一次治療は A 群で高い奏効割合を認めた。また BEV 療法の奏効割合も初回
再発時の方が 2 回目再発時より高い結果であった。
治療開始後 16 週目の MMSE 非悪化割合は、A 群 40.6%、B 群 19.4%であり、治療開始後
16 週目の KPS 非悪化割合は、A 群 48.6%、B 群 26.4%とともに有意に A 群での方が良好で
あった。
本試験に参加した患者の初回手術からの mOS は A 群 25.3 か月、B 群 24.7 か月であっ
た。
○安全性の評価結果
本試験では A 群にプロトコール治療完了を設けておらず、B 群で一次治療完了の定義
に合致したのは 2 例であった。プロトコール治療に関連した治療関連死(TRD)が A 群で
1 人、B 群で 2 人(二次治療に伴う頭蓋内出血)に発生した。B 群の一次治療(ddTMZ)
でプロトコール治療に関連した TRD の発生はなかった。
○結論
初回手術後の放射線治療併用TMZ療法を施行後の、初回再発膠芽腫に対する用量強化
TMZ療法と再発後のBEV療法(ddTMZ-BEV逐次併用療法:試験治療)は、BEV単独療法(標
準治療)に比してprimary endpointの全生存期間は上回らず、secondary endpointsも有
効性評価項目ではいずれもBEV単独療法より下回る結果であった。安全性評価項目では高
度な有害事象やTRDの発症割合は両群とも低く、安全性には差がなかったが、本試験結果
からは試験治療の有効性は検証されず、初回再発膠芽腫に対しては引き続きBEV単独療法
が標準治療であると結論された。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和7年8月 21 日(木)16:00~
(第 178 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
杏林大学医学部付属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審
査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、重要な指摘事項、総評として
の概要は以下のとおりであった。
○ 本研究結果からは、試験治療の有効性は検証されず、OSに関するサブグルー
プ解析でも有効性を示す集団は明らかとはならなかった。
○ 本研究からは、初回再発膠芽腫に対しては、現在の BEV が標準治療であるこ
とが示唆されたが、再発膠芽腫は依然として予後不良な疾患であるため、今
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