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資料7 笠木構成員提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai21/gijisidai.html
出典情報 全世代型社会保障構築会議(第21回 6/23)《内閣官房》
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資料7

2025 年 6 月 23 日 全世代型社会保障構築会議
笠木映里(東京大学法学政治学研究科)

本日、外国出張のため出席がかないませんことをお詫び申し上げますと共に、座
長と事務局にお許しを頂き、僭越ながら以下の通り高額療養費制度の見直しについて書面
にて意見を申し上げます。拙文・長文となり、申し訳ございません。
高額療養費制度の見直しは、「世代間・世代内での負担の公平を図り、負担能力
に応じた負担を求める観点からの検討」を行う事項として、「新経済・財政再生計画改革工
程表 2022」において課題として明示され、これを引きつぐ形で、負担能力に応じた負担
を求めるという観点から、全世代型社会保障構築会議の改革工程においても、賃金等の動
向との整合性等の観点から必要な見直しの検討を行うとの方向性が示されたものと理解し
ております。この点、私自身も、第 19 回の本会議におきまして、改革工程に従い、負担能
力に応じた負担という方向で見直しが行われることを支持致しましたが、同時に、医療保
険の存在意義にも関わる重要な論点であり、この点に十分な考慮が行われつつ、医療保険
全体における給付のあり方を視野に入れた形で議論が行われることを期待する旨の発言を
致しました。この度専門委員会が立ち上がり、当該委員会で多角的かつ充実した議論が行
われていくものと考えられ、そうした方針について賛成致しますが、この機会に、高額療
養費の前提となる一部負担金制度そのものの趣旨に立ち返った議論や、医療保険の給付範
囲という問題全体についてのより整合的な議論が行われていくことを期待致します。以
下、若干敷衍して申し上げます。
まず、一般論として、医療保険において患者の受診時の費用負担が過重になれ
ば、必要な受診を抑制する恐れがあり、その場合には公的医療保険の存在意義そのものが
揺らぐことにもなりかねませんので、受診時の患者の費用負担を引上げるという選択肢に
ついては、慎重な議論が必要と考えております。そのうえで、高額療養費の見直しについ
ては、この見直しをいかなる趣旨で行うのかについて、整理が必要であるように思われま
す。この点、現状の高額療養費制度をより公平なものとしていく、という観点から、特に
世代間の負担のバランスに着目し、
「年齢ではなく負担能力に応じた負担」という考え方
を現状よりもさらに強める、という考え方がありうると思われ、この点は、少なくとも大
きな方向性としては、あまり争いのないところかと考えます。高額療養費は、一部負担金
による経済的負担が不適切な受診抑制を導かないための制度であるため、その基準が患者
の負担能力とされることは制度の趣旨からして自然なことと思われるためです。
他方で、これとは少し異なる次元で、現役世代の保険料負担の抑制という観点か