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2025年6月17日 少数データの学習でも正確な肝腫瘍抽出を学ぶ スモールデータAIを開発 (2 ページ)

公開元URL https://www.isct.ac.jp/plugins/cms/component_download_file.php?type=2&pageId=&contentsId=1&contentsDataId=1745&prevId=&key=c64476541bdec61fb8c5d0fc2e767d8a.pdf&fileName=sciencetokyopr20250617-suzuki
出典情報 東京科学大学 プレスリリース(6/17)《東京科学大学》
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●背景
肝臓がんは、がん種の中でも世界で 6 番⽬に多く、がんによる死亡の⼤きな要因で
す。肝腫瘍の正確なセグメンテーションは、診断、治療計画、予後予測において極めて
重要なステップですが、医師が⼿作業で⾏う場合には⼤変な労⼒がかかり、医師間での
ばらつきも⽣じやすいという問題があります。
深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)は、医療画像のセグメンテーション
に⾰命をもたらしましたが、その有効性は⼤量のアノテーションデータ(通常 1,000〜
10,000 症例)に⼤きく依存しています。このような⼤量のデータが必要なことが、医療
AI の開発の⼤きな障壁となっています。
●研究成果
研究チームは、ごく少数の学習データでも⾼精度の腫瘍セグメンテーションを可能に
する新しいディープラーニングモデル MHP-Net を開発しました(図 1)
。MHP-Net は、
画像全体ではなく、膨⼤な数の⼩さな 3D 画像パッチを使⽤することにより、ごく少数
の症例での学習を可能にしました。CT 画像から得られた各画像パッチと、それに対応
する球強調画像(⽤語 5)をペアで⼊⼒することで、複雑な腫瘍構造を効果的に学習で
きます。

図 1 限られた学習データで正確な腫瘍セグメンテーションを可能とする MHP-Net の仕組み

本モデルは、パラメータ数が 17,550 個と⾮常にコンパクトであるにもかかわらず、
DICE スコア(⽤語 6)が 0.691(学習腫瘍 7 個)
、0.709(学習腫瘍 14 個)
、0.719(学
習腫瘍 28 個)と、⾼い精度でのセグメンテーションを実現しました(表)。この DICE
スコアは、学習データが限られているにもかかわらず、MICCAI 2017 の世界肝腫瘍セ
グメンテーション競技会で優勝チーム
(学習腫瘍 908 個)
が記録した DICE スコア 0.709