よむ、つかう、まなぶ。
資料1 人材希少社会における社会保障・教育政策の強化(有識者議員提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/0526agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(第6回 5/26)《内閣府》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
資料1
人材希少社会における社会保障・教育政策の強化
2025年5月26日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
人口減少が加速していく我が国が、将来にわたり発展するには、一人一人の能力を最大限に生か
せる社会の構築が欠かせない。このことは、現下の国際秩序の変化の中で求められる、外部環境変
化に強い経済構造のベースともなる。その実現に向け、社会保障と教育という国民一人一人へと届く
政策をEBPMに基づき強化し、全国各地で、こどもが未来を支える人材として育ち、社会に出ては年
齢・性別を問わず能力を発揮し、老後も安心して医療・介護が受けられる地域社会の構築が重要1。
同時に、これらの政策には持続性が求められる。投入可能な資源が限られる中、全体最適を図り
つつ、安定財源を確保する必要がある。特に、現在拡充しつつある少子化対策の財源について、改
革工程における医療・介護の歳出改革を充てるという枠組みの維持が大前提であり、さらに、医療・
介護・保育・福祉等の公定価格の引上げについて的確な対応を行っていくには、DX・省力化投資の
実装や制度改正、応能負担等の改革を通じた保険料負担の抑制努力の継続が一層重要となる。
以下、メリハリの効いたワイズスペンディングを徹底すべく、骨太方針に向けて提言する。
1.全世代型社会保障の構築
国民の共感が得られる効果的な少子化対策の推進:
少子化トレンドの反転やこどもが健やかに育つ社会の実現を目指し、こども未来戦略に基づき
大規模な予算が投入されることを踏まえ、それらが出生率やこどものウェルビーイングに関す
る指標等に与える効果の検証と、その検証結果に基づく政策の見直しを徹底すべき。
少子化対策の拡充に伴い、実質的な負担が生じないよう、毎年の歳出改革を着実に積み重
ねるとともに、政策の全体像や費用負担の見える化を徹底し、政策に対する国民の共感が得
られるようにすべき。
医療・介護分野の生産性向上と成長産業化(HX):
AIによる問診やケアプラン作成、カメラ・センサーといった介護機器の導入等の省力化投資
や、標準型電子カルテ導入等の医療・介護DXの実装により生産性向上に結び付くよう、イン
センティブの活用等を図るべき。併せて、生産性向上には、行政文書や手続きの簡素化を通
じた事務負担の軽減も重要。
予防・健康づくりの強化に向け、PHRの活用や更なるスイッチOTC化等により、セルフケア・
セルフメディケーションを推進すべき。公的データベースを含む保健データの二次利用促進、
治験・臨床試験体制の整備、ヘルスケアスタートアップの伴走支援強化、保険制度の持続性
を維持しつつ真にイノベーションを高める薬価制度の見直し等、創薬力強化を推進すべき。
医療・介護一体での体制整備とエッセンシャルワーカーの処遇改善:
地域医療構想の下、限りある医療資源を最適化・効率化しながら、在宅医療・介護との連携を
支える医療機関の明確化や必要な病床機能確保等をデータ分析に基づき推進すべき。
介護の提供体制は、生産年齢人口が減少する中、都市部等における急激な需要増への対応
とともに、過疎化による需要密度低下がサービス維持の障害となることも見据え、移動支援サ
ービスとの連携や利用者理解に基づく集住の在り方も含めて検討し、地域毎の需給に基づく
地域包括ケアシステムの深化を図るべき。
1
各地域における人材育成・確保やイノベーション創出等を通じた生産性向上の地方への均てんは、国・地方の経済・財政の持続可能性確保のためにも
重要(2025年4月21日経済財政諮問会議資料4「市町村類型別の経済・財政に関する簡易推計」等より)。
1
人材希少社会における社会保障・教育政策の強化
2025年5月26日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
人口減少が加速していく我が国が、将来にわたり発展するには、一人一人の能力を最大限に生か
せる社会の構築が欠かせない。このことは、現下の国際秩序の変化の中で求められる、外部環境変
化に強い経済構造のベースともなる。その実現に向け、社会保障と教育という国民一人一人へと届く
政策をEBPMに基づき強化し、全国各地で、こどもが未来を支える人材として育ち、社会に出ては年
齢・性別を問わず能力を発揮し、老後も安心して医療・介護が受けられる地域社会の構築が重要1。
同時に、これらの政策には持続性が求められる。投入可能な資源が限られる中、全体最適を図り
つつ、安定財源を確保する必要がある。特に、現在拡充しつつある少子化対策の財源について、改
革工程における医療・介護の歳出改革を充てるという枠組みの維持が大前提であり、さらに、医療・
介護・保育・福祉等の公定価格の引上げについて的確な対応を行っていくには、DX・省力化投資の
実装や制度改正、応能負担等の改革を通じた保険料負担の抑制努力の継続が一層重要となる。
以下、メリハリの効いたワイズスペンディングを徹底すべく、骨太方針に向けて提言する。
1.全世代型社会保障の構築
国民の共感が得られる効果的な少子化対策の推進:
少子化トレンドの反転やこどもが健やかに育つ社会の実現を目指し、こども未来戦略に基づき
大規模な予算が投入されることを踏まえ、それらが出生率やこどものウェルビーイングに関す
る指標等に与える効果の検証と、その検証結果に基づく政策の見直しを徹底すべき。
少子化対策の拡充に伴い、実質的な負担が生じないよう、毎年の歳出改革を着実に積み重
ねるとともに、政策の全体像や費用負担の見える化を徹底し、政策に対する国民の共感が得
られるようにすべき。
医療・介護分野の生産性向上と成長産業化(HX):
AIによる問診やケアプラン作成、カメラ・センサーといった介護機器の導入等の省力化投資
や、標準型電子カルテ導入等の医療・介護DXの実装により生産性向上に結び付くよう、イン
センティブの活用等を図るべき。併せて、生産性向上には、行政文書や手続きの簡素化を通
じた事務負担の軽減も重要。
予防・健康づくりの強化に向け、PHRの活用や更なるスイッチOTC化等により、セルフケア・
セルフメディケーションを推進すべき。公的データベースを含む保健データの二次利用促進、
治験・臨床試験体制の整備、ヘルスケアスタートアップの伴走支援強化、保険制度の持続性
を維持しつつ真にイノベーションを高める薬価制度の見直し等、創薬力強化を推進すべき。
医療・介護一体での体制整備とエッセンシャルワーカーの処遇改善:
地域医療構想の下、限りある医療資源を最適化・効率化しながら、在宅医療・介護との連携を
支える医療機関の明確化や必要な病床機能確保等をデータ分析に基づき推進すべき。
介護の提供体制は、生産年齢人口が減少する中、都市部等における急激な需要増への対応
とともに、過疎化による需要密度低下がサービス維持の障害となることも見据え、移動支援サ
ービスとの連携や利用者理解に基づく集住の在り方も含めて検討し、地域毎の需給に基づく
地域包括ケアシステムの深化を図るべき。
1
各地域における人材育成・確保やイノベーション創出等を通じた生産性向上の地方への均てんは、国・地方の経済・財政の持続可能性確保のためにも
重要(2025年4月21日経済財政諮問会議資料4「市町村類型別の経済・財政に関する簡易推計」等より)。
1