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参考資料1 プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類について (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56908.html
出典情報 厚生科学審議会 新型インフルエンザ対策に関する小委員会(第23回 4/17)《厚生労働省》
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2025年におけるプレパンデミックワクチン株の選択について
ワクチン株の選定における以下の視点を踏まえ、世界的に流行をしているClade2.3.4.4bに対して抗原性が確認さ
れたA/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-002)をプレパンデミックワクチンのワクチン候補株としてはどうか
(1)近年の鳥インフルエンザ発生の疫学的な状況


2021年以降はClade 2.3.4.4bに属する高病原性鳥インフルエンザウイルスA(H5N1) の世界的な感染拡大に伴い、海
生哺乳類を含む野生の哺乳類や農場のミンクなどでも発生がみられている。Clade 2.3.2.1cのHPAIV(H5N1)は2020
年以降についてはアジアで限局的に循環をしており、世界的な感染拡大はみられていない。

(2)パンデミック発生の危険性 (3)パンデミックが発生した際の社会への影響


HPAIV(H5N1)は効率的にヒトからヒトへ感染する能力を獲得しておらず、現時点ではヒトでのパンデミックに至
る可能性は低いが、世界的に鳥類での感染拡大が認められ、哺乳類の感染例も多数報告されていることから、
HPAIV(H5N1)へのヒトの曝露機会が増加しており、今後も散発的なヒト感染例が報告される可能性は高い。



動物で感染が拡大する中でアミノ酸変異が蓄積して、ヒトへの感染性がより高くなったウイルスが今後出現する
可能性は否定できない。

(4)発生しているウイルスとワクチン株の抗原性


世界的に流行をしているH5のClade2.3.4.4bのうちWHOが示すCVVはA/Astrakhan/3212/2020 (IDCDC-RG71A) 、
A/Fujian-Sanyuan/21099/2017 (CNIC-FJ21099) 、A/American wigeon/South Carolina/22-000345 -001/20211(IDCDCRC78)、A/chicken/Ghana/AVL-763_21VIR7050-39/2021、 A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-002) 、
A/Jiangsu/NJ210/2023(CNIC-JSNJ210)及びA/American wigeon/South Carolina/22-000345-001/2021(IDCDC-RC78)で
あるが、このうちH5N1のワクチン株として使用可能かつ入手可能なのは、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022

(NIID-002) である。


流行株とワクチン株の抗原性の比較のため、 A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-002)に対するフェレットの感染
血清を用いた赤血球凝集阻止試験を実施したところ、 A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-002)及びA/American
wigeon/South Carolina/22-000345-001/2021(IDCDC-RC78)は抗原性類似株と判断された。



A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-002)に対して優位性を示すワクチン株の情報はない。

※ 危機管理上の3つの指標を考慮すると、人での感染事例が現状においては多くはないが、人での重症度が高いことが想定され、世界的な鳥
および哺乳類での発生が拡大しているといった状況を総合的に評価し、危機管理上重要性が高いと考えられる。

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