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資料2_経済再生と財政健全化の両立に向けて(有識者議員提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/0410agenda_00003.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(第4回 4/10)《内閣府》 |
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資料2
経済再生と財政健全化の両立に向けて
2025年4月10日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
我が国経済社会は、人口減少・少子高齢化という長期にわたる構造的な課題に直面している中
で、足元では、金利ある世界に移行する下で、米国の通商政策により世界経済全体の不確実性が
急速に高まっている。有事にあって万全の対応を期するためにも、債務残高対GDP比の安定的引
下げの実現など、常に長期を見据えた一貫性のある経済財政政策の方向性を明確に示し、日本の
経済財政に対する市場の信認を確実なものとしていくことが求められる。
昨年策定した「経済・財政新生計画」は、人口減少が深刻化する2030年代以降も経済・財政・社
会保障が持続可能となる姿1からバックキャストして、2030年度までを対象期間として策定されたもの
であり、今後も、この枠組みの下で、物価上昇率の高まりや経済の急変リスク等には必要な支援に
万全を期しつつ、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を進める中で、財政状況の改
善に取り組むことが重要である。こうした考え方に基づき、以下提言する。
1.長期を見据えた潜在成長力強化と適切な経済財政運営
我が国の持続可能性を確保するには、安定的な実質1%超の成長を実現する必要がある。生
産年齢人口の減少が本格化する下で、そのハードルは決して低くないが、今後とも、「経済あ
っての財政」との考え方の下、賃上げモメンタムの定着に資する環境整備とともに、潜在成長
率の引上げに重点を置いた政策運営を行い、この目標の実現に向けて取り組む。
官民連携による多年度にわたる計画的な投資促進について、GX投資など勝ち筋となる分
野の競争力を高めるため、EBPMアクションプラン等に基づく大胆なメリハリ付けの下で、政
策効果を最大化するワイズスペンディングを徹底する。
人手・資材等の不足による経済への負の波及効果を緩和するべく、生産性向上につながる、
省力化・DX投資、リスキリング等の人への投資、円滑な労働移動に適した労働市場改革、
規制・制度改革など供給力強化に重点を置いた政策を実行する。
同時に、内外の経済動向を十分に分析し、必要な支援に万全を期すなど、適切な経済財政運
営を講じる。
2.全世代型社会保障の構築と財政健全化の推進
本年1月の中長期試算では、2025年度にPBは黒字化しないものの、財政状況が中期的に改
善していく姿は維持された 2。今後も、中期的な財政健全化のパスが保たれるよう、恒常的な歳
出増や歳入減につながる教育無償化や所得控除の拡大等については、安定財源を確実に措
置する。
1
「経済・財政・社会保障に関する長期推計」(2024年4月内閣府)によれば、人口減少が深刻化する2030年代以降も、実質1%を上
回る経済成長を実現するとともに、これまでと同様に医療・介護給付費対GDP比の上昇基調に対する改革に取り組み、一定幅での
PBの黒字基調を維持していくことで、長期的な経済・財政・社会保障の持続可能性が確保される。
2
試算公表後、2025年度予算の修正が行われたが、歳出と税収・税外収入が概ねバランスしており、同年度のPBへの影響は軽微と
みられる。
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経済再生と財政健全化の両立に向けて
2025年4月10日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
我が国経済社会は、人口減少・少子高齢化という長期にわたる構造的な課題に直面している中
で、足元では、金利ある世界に移行する下で、米国の通商政策により世界経済全体の不確実性が
急速に高まっている。有事にあって万全の対応を期するためにも、債務残高対GDP比の安定的引
下げの実現など、常に長期を見据えた一貫性のある経済財政政策の方向性を明確に示し、日本の
経済財政に対する市場の信認を確実なものとしていくことが求められる。
昨年策定した「経済・財政新生計画」は、人口減少が深刻化する2030年代以降も経済・財政・社
会保障が持続可能となる姿1からバックキャストして、2030年度までを対象期間として策定されたもの
であり、今後も、この枠組みの下で、物価上昇率の高まりや経済の急変リスク等には必要な支援に
万全を期しつつ、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を進める中で、財政状況の改
善に取り組むことが重要である。こうした考え方に基づき、以下提言する。
1.長期を見据えた潜在成長力強化と適切な経済財政運営
我が国の持続可能性を確保するには、安定的な実質1%超の成長を実現する必要がある。生
産年齢人口の減少が本格化する下で、そのハードルは決して低くないが、今後とも、「経済あ
っての財政」との考え方の下、賃上げモメンタムの定着に資する環境整備とともに、潜在成長
率の引上げに重点を置いた政策運営を行い、この目標の実現に向けて取り組む。
官民連携による多年度にわたる計画的な投資促進について、GX投資など勝ち筋となる分
野の競争力を高めるため、EBPMアクションプラン等に基づく大胆なメリハリ付けの下で、政
策効果を最大化するワイズスペンディングを徹底する。
人手・資材等の不足による経済への負の波及効果を緩和するべく、生産性向上につながる、
省力化・DX投資、リスキリング等の人への投資、円滑な労働移動に適した労働市場改革、
規制・制度改革など供給力強化に重点を置いた政策を実行する。
同時に、内外の経済動向を十分に分析し、必要な支援に万全を期すなど、適切な経済財政運
営を講じる。
2.全世代型社会保障の構築と財政健全化の推進
本年1月の中長期試算では、2025年度にPBは黒字化しないものの、財政状況が中期的に改
善していく姿は維持された 2。今後も、中期的な財政健全化のパスが保たれるよう、恒常的な歳
出増や歳入減につながる教育無償化や所得控除の拡大等については、安定財源を確実に措
置する。
1
「経済・財政・社会保障に関する長期推計」(2024年4月内閣府)によれば、人口減少が深刻化する2030年代以降も、実質1%を上
回る経済成長を実現するとともに、これまでと同様に医療・介護給付費対GDP比の上昇基調に対する改革に取り組み、一定幅での
PBの黒字基調を維持していくことで、長期的な経済・財政・社会保障の持続可能性が確保される。
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試算公表後、2025年度予算の修正が行われたが、歳出と税収・税外収入が概ねバランスしており、同年度のPBへの影響は軽微と
みられる。
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