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医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5.2版(別冊)(令和4年3月)[2,057KB] (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00002.html
出典情報 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5.2版(令和4年3月)(3/31)《厚生労働省》
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不可欠な場合が多いと考えられる。そのため、あらかじめ可能な限りの事態を予想し、
説明責任の分担に関する事項について、契約に含めるべきである。
② 善後策を講ずる責任
医療情報について何らかの不都合な事態が生じた場合、医療機関等の管理者に「善後
策を講ずる責任」が発生することについて前節で述べた。しかし、医療情報の取扱いを
受託する事業者の責任によってそのような事態が生じた場合、適切な委託契約に基づき、
受託する事業者の選任・監督に適切な注意を払っていれば、法律上、医療機関等の管理
者の善管注意義務は果たされていると解される。
しかしながら、本章の冒頭に述べたように、情報の管理は、医療機関等の管理者の責
任において行うことが求められている。そのため、医療情報について何らかの不都合な
事態が生じた場合の原因究明、被害者への損害填補、再発防止について、患者等との関
係においては、医療機関等の管理者が責任を負わなければならない。また、現実的にも、
受託する事業者が医療情報の全てを管理しているとは限らないため、再発防止のために
医療情報保護の仕組み全体について善後策を講ずる責任は、医療機関等の管理者が負わ
ざるを得ない。
上記のように、医療機関等の管理者は、受託する事業者の責任によって何等かの不都
合が生じた場合であっても、患者等に対して、
「原因を追及し明らかにすること」、
「損害
を生じさせた場合にはその損害を填補すること」

「再発防止策を講ずること」等の善後
策を講ずる責任を免れるものではない。
ただし、患者等に対する責任が免ぜられることはないとしても、受託する事業者との
間での責任分担は別の問題である。特に、受託する事業者の責任で不都合な事態が生じ
た場合、医療機関等の管理者が全ての責任を負うことは、原則としてあり得ない。
しかし、医療情報について何らかの不都合な事態が生じた場合、医療機関等と受託す
る事業者の間で責任の分担について争うことよりも、まず原因を追及し明らかにし、再
発防止策を講ずることを優先させる必要がある。
そのため、受託する事業者との契約において、医療情報について何らかの不都合な事
態が生じた場合、原因追及と再発防止策の実施を優先させることを明記しておく必要が
ある。
委託内容によっては、より具体的に、受託する事業者の負う原因追及責任と再発防止
策の提案義務を明記することも考えられる。
損害填補責任の分担については、事故の原因が受託する事業者にある場合、最終的に
は受託する事業者が負うのが原則である。ただし、この点は、原因の種類や複雑さによっ
ては原因究明が困難な場合があること、及び損害填補責任の分担の定め方によっては原
因究明の妨げになるおそれがあることや、保険による損害分散の可能性等、考慮すべき
様々な要素がある。それらを考慮した上で、受託する事業者との契約において損害填補

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