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参考資料1-4  浜口班の議論における参考資料(令和3年12月21日開催) (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24719.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和3年度第6回 3/29)《厚生労働省》
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4)鑑別すべき疾患と見分けるポイント

鑑別すべき疾患として、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)、血栓性微小血管症(TMA, 血
栓性血小板減少性紫斑病や溶血性尿毒症症候群など)、免疫性血小板減少症(ITP)、DIC、抗リン脂
質抗体症候群(APS)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、悪性腫瘍、血液がんなどがある。しか
し、治療の遅れは転帰を悪化させる恐れがあるため、鑑別診断を進めつつ速やかに TTS の治療を開始
する。本手引き作成時点で国内には TTS の確定診断を行う方法はなく、また、海外でもゴールドスタ
ンダードとなる診断方法はまだ確立していない。そのため、TTS 以外の疾患を除外することが重要であ
り、確実な鑑別のためには血栓止血の専門家に相談する。以下は主な鑑別点である。
HIT: ヘパリン投与歴の聴取が重要となる。
TMA (TTP): 末梢血塗抹標本で破砕赤血球の確認、網状赤血球増多、間接ビリルビン増加、高 LD 血
症、ハプトグロビン低下、特に TTP では ADAMTS13 活性が著減する。
ITP: 鑑別が困難なことが多い。血小板減少のみがみられる場合や出血を伴う症例では ITP の可能性
も考慮する。
DIC: TTS において DIC 様所見(フィブリノゲン著減、D-ダイマー著増など)をきたすことがあるた
め、鑑別が困難なことが多い。基礎疾患の有無や血栓の存在部位、DIC 診断基準を参考にして
推定する。
APS: 抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗 β2GPI 抗体、抗
リン脂質抗体パネル)の存在証明が必要である。
PNH: 顕著な溶血所見(正球性貧血、網状赤血球増多、間接ビリルビン増加、高 LD 血症、ハプトグ
ロビン低下)が TTS との鑑別点だが、PNH 血球(抗 CD55/CD59 抗体)の証明で確定させる。

5.TTS の治療
TTS は新しい疾患概念であり、有効性や安全性のエビデンスが確立した治療法は存在しない
が、aHIT と類似した病態であることから、aHIT に準じた治療(免疫グロブリン静注療法ならびに抗凝
固療法)が有効である可能性が欧米から報告されている。TTS を疑えば、抗血小板第 4 因子抗体
(ELISA)の結果を待たずに治療を開始することを推奨する。ただし、HIT とは異なり、血小板数やフ
ィブリノゲン値の著しい減少、凝固時間の延長を伴うことが多く、出血(重篤な出血性梗塞や脳出血
など)を高頻度に合併することには注意が必要で、抗凝固療法に際しては出血と血栓症のリスクバラ
ンスを考慮する必要がある。本項では、本手引き作成時点において候補となる、TTS に対する治療法に
ついて述べる。いずれも適応外使用ではあるが、保険診療上の取り扱いは本手引きに沿って慎重に判
断される。なお、個別の血栓症(脳静脈血栓症など)に対する治療法については、付録の中で言及す
る。血小板減少を伴う血栓症は、mRNA ワクチン接種後にも生じうるが、抗血小板第 4 因子抗体
(ELISA)強陽性の TTS は、アストラゼネカ社アデノウイルスベクターワクチン接種後に多く報告され
ている。このため、抗血小板第 4 因子抗体の結果が判明する前の治療においては、接種したワクチン
の種類に応じ、治療法を選択することが望ましいと考えられる。以下、抗血小板第 4 因子抗体が病態
に関与する TTS を想定して、治療法を紹介する。

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