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医療事故情報収集等事業 医療安全情報No.209「中心静脈から投与すべき輸液の末梢静脈からの投与」を提供しました。 (3 ページ)

公開元URL https://jcqhc.or.jp/press
出典情報 医療安全情報 No.209(4/15)《日本医療機能評価機構》
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医療事故情報収集等事業

医療安全情報 No.209 2024年4月

中心静脈から投与すべき輸液の末梢静脈からの投与
事例1

患者は、PICC
(末梢静脈挿入式中心静脈用カテーテル)
から降圧剤が持続静注され、末梢静脈から

輸液が投与されていた。医師は、
PICCから高カロリー輸液を投与する指示を出した。
日勤の看護師A

は、投与経路を確認せず、末梢静脈から投与していた輸液を高カロリー輸液に変更して開始した。

その後、夜勤の看護師Bが末梢静脈から高カロリー輸液が投与されていることに気付いた。

事例2

患者の中心静脈カテーテルの刺入部に感染兆候があり、
医師はカテーテルを抜去後、
高カロリー輸液

を末梢静脈から投与するよう指示した。看護師は指示通り、末梢静脈から高カロリー輸液の投与を
開始した。その後、
末梢静脈の血管痛と刺入部の腫脹を認め、
投与を中止した。中心静脈カテーテル

を挿入している患者が少ない病棟で、医師・看護師の知識不足があった。

事例が発生した医療機関の取り組み

●高カロリー輸液など中心静脈から投与すべき輸液は、末梢静脈からは
投与できないことを医療機関内で周知する。
上記は一例です。自施設に合った取り組みを検討してください。

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の
「PMDA医療安全情報 No.67 2024年1月 高カロリー輸液の
投与経路に関する注意について」
に中心静脈から投与すべき輸液の一覧が掲載されています。
https://www.pmda.go.jp/files/000266169.pdf

取り組みのポイント

○中心静脈は太く血流が多いため、高カロリー輸液や高濃度糖液はすぐ
に希釈されるが、末梢静脈は血流が少ないためすぐに希釈されず、
血管痛や静脈炎などを起こす危険性があることも併せて周知しま
しょう。
(総合評価部会)

※この医療安全情報は、医療事故情報収集等事業
(厚生労働省補助事業)
において収集された事例をもとに、本事業の一環として総合評価部会
の専門家の意見に基づき、医療事故の発生予防、再発防止のために作成されたものです。本事業の趣旨等の詳細については、本事業ホームペ
ージに掲載されている報告書および年報をご覧ください。
https://www.med-safe.jp/
※この情報の作成にあたり、作成時における正確性については万全を期しておりますが、
その内容を将来にわたり保証するものではありません。
※この情報は、医療従事者の裁量を制限したり、医療従事者に義務や責任を課したりするものではありません。

公益財団法人 日本医療機能評価機構

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