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2022年度 介護医療院の経営状況について (7 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/231110_No006.pdf
出典情報 2022年度 介護医療院の経営状況について(11/10)《福祉医療機構》
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2023-006

(図表 6)人件費率と入所利用率の分布
Ⅰ型・黒字

Ⅰ型・赤字

Ⅱ型・黒字

Ⅱ型・赤字

(平均入所利用率)
91.2%

30.0
35.0
40.0
45.0








50.0





60.2% 件




55.0
60.0
65.0
70.0
75.0
80.0
85.0
70.0

75.0

80.0

85.0

90.0

95.0

100.0

入所利用率(%)

水準まで抑えるような経営改善が必要であろう。 ともに低下しており、赤字施設割合も拡大する
続いて、人員配置を見直すにあたって、その

など、経営状況の悪化がみられた。黒字・赤字施

判断要素となる入所利用率もみていきたい。入

設別にみても、Ⅰ型・Ⅱ型の赤字施設はいずれ

所利用率は、施設の黒字・赤字に影響する重要

も黒字施設より入所利用率が低いことから、利

な指標の 1 つであることから、高いことが望ま

用者の確保に向けた取り組みが喫緊の課題であ

しい。実際に入所利用率が 90.0%超の施設は

るといえよう。

31.4%が赤字であるのに対して、90.0%以下の

介護医療院の施設数は、2023 年 6 月 30 日時

施設では 50.0%が赤字と、入所利用率が低いほ

点で 794 施設6となっており、高齢化を背景とし

うが赤字施設割合が高くなっている。利用者の

た社会的ニーズからも今後も施設の増加が見込

確保に向けて、まずは平均入所利用率である

まれる。一方で、厚生労働省の病院報告7では、

91.2%を目指して経営改善に取り組むことが選

2023 年 6 月末時点において介護療養病床は病

択肢の 1 つとなるだろう。

院が 4,951 床、診療所が 713 床と報告しており、

一方で、Ⅰ型・Ⅱ型ともに、入所利用率が低く

まだ移行が完了していない施設も見受けられる。

とも人件費率を抑えることで黒字となっている

2024 年 3 月末に経過措置の期限を迎え、これら

施設が一定数あるのも事実である。これは、入

の移行が完了した後の介護医療院の経営状況に

所利用率と人件費率のバランスによって黒字化

ついて、今後も継続的に注視していきたい。

することも可能であることを示唆している。

本稿がこれからの施設運営をお考えいただく
うえで、参考となれば幸いである。また、コロナ
禍の多忙ななか、2022 年度決算に係る事業報告

おわりに
2022 年度の介護医療院の経営状況は、2021

書の提出に協力いただいた皆さまに感謝を申し

年度と比べて、事業利益率および経常利益率が

上げる。

6 厚生労働省「介護医療院の開設状況等(令和 5 年 6 月末日時点)
」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001105298.pdf
7 厚生労働省「病院報告(令和 5 年 6 月分概数)
」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/byouin/m23/dl/2306kekka.pdf

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