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2017年10月04日(水)

注目の記事 [医薬品] 試行的導入の結果、5段階ではなくICER値で表示 費用対効果部会

中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第48回 10/4)、 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会 合同部会(第1回 10/4)《厚生労働省》
発信元:厚生労働省 保険局 医療課   カテゴリ: 医薬品・医療機器 医療制度改革
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今回のポイント

●厚生労働省は、10月4日の中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会および、同専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会の合同部会に、総合的評価(アプレイザル)の方法と評価結果を踏まえた価格調整のあり方を提案、大筋で了承された
○試行的導入のアプレイザルの結果は、5段階判定ではなく、単に各品目の増分費用効果比と倫理的・社会的観点から考慮すべき要素の有無だけを表示
○ICERに価格調整なし、ICERの値に応じて価格を変動、一定の下げ幅で価格調整-の3領域を設定。各品目のアプレイザルの結果(ICERの値)をあてはめ、価格調整をする

 医薬品・医療機器の費用対効果評価の試行的導入で、厚生労働省は10月4日の中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会および、同専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会の合同部会に、総合的評価(アプレイザル)の方法と評価結果を踏まえた価格調整のあり方を提案、大筋で了承された。2018年4月に予定される本導入では、アプレイザルの結果を5段階判定する方向だが、試行的導入の対象品目の場合、段階的評価に合わせて価格調整すると、評価の境界の前後で価格調整幅が大きく変動することになるため、「良い」、「悪い」などの判定はせず、単に各品目の増分費用効果比(完全な健康状態を1年間継続させるのに必要な費用=ICER)の値と、倫理的・社会的観点から考慮すべき要素の有無だけを示すことにした(p3参照)


 
 評価の基準値は過去に国内で行われた支払い意思額調査と海外の評価基準を参考に設定する。過去調査は4つの候補から、▽調査結果を活用した受諾確率曲線が作成できる▽個人ではなく社会としての費用負担を尋ねている▽二段階二項選択法で実施されている-などの要件を満たす、2010年の調査を選択した。海外基準は、生活水準が近いイギリスを採用。日本円への換算は為替レートではなく、1人当たりGDP比を用いる(p4~p6参照)
 
 
◆倫理的・社会的考慮要素からイノベーションと小児疾患の治療を除外
 
 適応疾患が複数あるなどの理由で複数のICERが算出される品目に関しては、複数のICERを使用患者割合などで加重平均した値で評価する。一方、比較対象品目に比べて効果が高いか同等で、費用が低い品目は、費用対効果が良好であるにも関わらず、ICERを算出することができない。こうした品目は、アプレイザルの結果に、「効果が増加しており(または同等であり)、同時に費用が削減される」と記載する(p7~p8参照)
 ICERでの評価が低くても、倫理的、社会的観点から必要性が高い品目は評価を引き上げる補正を行う。その際の考慮要素は、(1)感染症対策といった公衆衛生的観点での有用性、(2)公的医療の立場からの分析には含まれない追加的な費用、(3)重篤な疾患でQOLは大きく向上しないが生存期間が延長する治療、(4)代替治療が十分に存在しない疾患の治療-の4点で設定。従来案にあった、「イノベーション」と「小児の疾患を対象とする治療」は除外した(p9~p10参照)
 
◆ICERに価格調整なし・あり、価格引き下げの3領域を設定
 
 アプレイザルの結果はICERの値と4つの倫理的・社会的考慮要素への該当の有無で表示され、これを踏まえて価格調整が行われる。価格調整の方法は、ICERの値が算出できる品目と、できない品目とで大きく2つに分かれることになる。ICERを算出できる品目の価格調整では、各品目のICERの値が該当した場合は(1)価格調整をしない、(2)ICERの値に応じて価格を変動させる、(3)一定の引き下げ幅で価格調整する-の3つの領域をICERに設定。このうち(1)と(2)の境界となる基準値はアプレイザルと同じ国内過去調査と英国の評価基準を参考に決め、(2)と(3)の境界基準値は、(1)・(2)間の値に一定の倍率(例えば2倍)を乗じて定める(p12~p13参照)
 
 ICERが算出できない品目は、本来、費用対効果が高い品目であることから、一定の条件を課した上で、価格調整の際に配慮する方法を今後、検討する(p13参照)。倫理的・社会的考慮要素に該当する場合は、該当する項目ごとにICERの値を一定率割り引いて求めた「価格調整係数(仮称)」を用いて、価格調整することが提案されている(p13参照)
 
 
◆50パーセンタイルの人の許容額は485万円、過去調査
 
 議論でアプレイザルや価格調整の枠組みについて委員から大きな異論は出なかったが、今回の提案だけでは実際にどのようにアプレイザルが進み、その結果が価格調整に反映されるのかがイメージしにくいとして、厚労省に追加資料の提出を求める声が相次いだ。
 
 なお、今回採用された過去調査で、完全な健康状態を1年継続させるための社会負担として、50パーセンタイルの人が許容できるとした金額は485万円、67パーセンタイルでは234万円、75パーセンタイルなら146万円。英国の基準は、▽3万ポンド(436万円)を上回る場合:強い根拠がある場合に、当該技術が推奨される▽2万~3万ポンド(291万~436万円)の間にある場合:当該技術受け入れ可能性は個別に判断される▽2万ポンド(291万円)を下回る場合:当該技術は推奨される-の3段階で設定されている(1人当たりGDP比で円換算)(p14~p15参照)

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