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資料1-3 評価技術の概要 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33355.html
出典情報 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第149回 6/15)《厚生労働省》
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先進医療名称: 正コレステロール血症を呈する従来治療抵抗性閉塞性
動脈硬化症に対するデキストラン硫酸カラムを用いたLDLアフェレシス療法
先進性:

概要:

慢性腎臓病,糖尿病等を合併した動脈硬化症患者では治療抵抗性の難治性かつ重症の閉
塞性動脈硬化症が多く,薬物療法が無効,血管内治療や血管外科的治療も困難で,下肢切
断術を施行せざるを得なくなり患者のQOLと予後が著しく阻害されることが少なくない.
治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対して高コレステロール血症に限定せずLDLアフェレシ
スを施行した場合の効果に関しては複数の小規模臨床研究にて有効性が報告され,また,
臨床的にも試験的に施行されてきた.
我々は,2003年より臨床研究を開始し,まず,維持血液透析患者の治療抵抗性閉塞性動
脈硬化症に対するLDLアフェレシスの効果が治療開始前の血中LDLコレステロール値に依存
せず,高(LDL)コレステロール血症が認められなくともLDLアフェレシスが長期的治療効果
(歩行距離,ABIの改善)をもたらすことを明らかにした.
さらに,LDLアフェレシス治療前後の患者血清を用いたヒト血管内皮細胞培養系での検
討を行い,血管内皮特異的NO合成酵素の活性化を介した血管内皮細胞機能の改善が重要で
あることを世界で初めて明らかにし,米国心臓病協会 (American Heart Association, AHA)
刊行の国際学術誌Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology に研究成果を発表
しており,先進性が高いとともに,医学的に当療法の有効性が認められたことになる.

閉塞性動脈硬化症の患者(20〜80
歳)のうち,Fontaine分類ⅡB度以
上の症状を有し,正コレステロー
ル血症の者であって,膝窩動脈以
下の閉塞又は広範な閉塞部位を有
する等,血管内治療や血管外科的
治療が困難で,かつ従来の薬物療
法では十分な効果を得られない治
療抵抗性閉塞性動脈硬化症患者に
限定して,デキストラン硫酸カラ
ム吸着法によるLDLアフェレシス
を1クール(=10回)行う.
主要評価項目:足関節上腕血圧
比(ABI)の変化,VascuQOL (閉塞
性動脈硬化症QOL指標)の変化.

期待される効果: LDLアフェレシスは,酸化ストレス・血液凝固・炎症の持続的改善により
最大歩行距離の改善度
(% of 治療開始前)

内皮型NO産生酵素活性化を介して,ヒト血管内皮細胞機能回復をもたらし,正脂血症の治療
抵抗性閉塞性動脈硬化症を長期的に改善する.
500
400
300
200
100
0

R = 0.568
P = 0.009

0 50 100 150 200 250 300 350
ヒト内皮NO合成酵素活性の改善度
(% of 治療開始前)

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