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資料3-9 岡部先生提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第119回 3/23)《厚生労働省》
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令和 5 年 3 月 23日
これからの身近な感染対策を考えるにあたって(第四報)
~室内での感染対策におけるパーティションの効果と限界~
岡部信彦、今村顕史、太田圭洋、尾身 茂、釜萢 敏、舘田一博、谷口清洲、坪倉 誠、
中山ひとみ、林 基哉、本間義規、前田秀雄、武藤香織、脇田隆字
1.はじめに
○新型コロナウイルスの感染対策として、不特定多数が集まる場において、人との距離を開け
ること、さらに飛沫の伝播を物理的にも遮断するために「仕切り」としてアクリル板やビニールシ
ートが用いられてきました。ここでは、これらの「仕切り」について「パーティション」(partition)
と表現します。
○ウイルスの性状についての研究が進んだこと、対策の緩和が進んでいること等から、室内
でのパーティションについて、今後の必要性についての問い合わせが多く寄せられていること
を踏まえて、その効果と限界について見解を示します。
2.パーティション設置による感染対策の経緯
○パーティションの設置は、2020 年 2 月 27 日に示された、世界保健機関の暫定的なガイダ
ンスで紹介されました[1]。また、2020 年 4 月 22 日の新型コロナウイルス感染症対策専門
家会議の提言では、事業者による業種別の対策の検討にあたり、「パーティションを対面の場
所に設置する」ことが一つの方法として挙げられました [2]。当時は、マスク着用が定着する前
であり、またマスク不足の状況にありました。パーティションは、感染経路や伝播の程度が不明
な中で取り得る方法として、窓口業務を伴う事業者や飲食店、学校などで導入が進みました。
○2021 年 4 月頃からは、飲食店の感染防止対策を徹底するための第三者認証制度におい
て、手指消毒、食事中以外のマスクの徹底、換気の徹底とともに、パーティションの設置が認証
条件となり、設置にかかる費用の補助が行われました [3]。
3.パーティションの効果と限界
○パーティションに期待された役割は、会話などにより発せられた比較的大きな飛沫が対面に
いる相手に飛ぶ前に物理的に遮断すること、いわゆる飛沫感染対策です。パーティションが
適切に設置された場合には、飛沫感染対策として有効であったと考えられます。ただし、様々な
感染対策が同時に行われてきたなかで、どの程度、パーティション設置が対策に寄与したかを
検証し、その効果を評価することは困難です。

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