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資料1-1 先進医療Bの総括報告に関する評価表(告示番号旧34/jRCT s031180073) (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30996.html
出典情報 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第145回 2/9)《厚生労働省》
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上回り、ドセタキセル、トラスツズマブ併用療法の有効性が示され
た。
○安全性の評価結果:
試験薬開始後の有害事象は、13例中13例に認められた。未知かつ
重篤な事象の発現および治療関連死はみられなかった。最も頻繁に
観察された有害事象は、好中球減少症(Grade4: 12例、Grade2: 1
例)と貧血(Grade 3: 2例、Grade1/2: 7例)を含む血液毒性であっ
た。好中球減少症はいずれもドセタキセル併用療法中に出現し,GCSF投与によって回復した。その他に多く観察された事象として、低
アルブミン血症(84.6%)、脱毛症(76.9%)、および好中球減少
症下の粘膜皮膚感染症(69.2%)などがあったが、これらの多くは
軽度または中等度であり、いずれも試験薬において既知の事象であ
った。また、トラスツズマブの注意を要する副作用として心障害の
報告があることより、適正使用ガイドに準じ定期的な心エコー、心
電図を用いた心機能モニタリングを行ったが、観察期間内におい
て、投与延期や中止となるようなLVEFの低下はみられなかった。
○結論
本試験は、標準治療が確立されていない転移性乳房外パジェット病
における初めての前向き試験である。本試験におけるドセタキセルの
投与量は、国内外の主要な試験の投与量および他がん種における承認
用量に倣い 75mg/m2 と設定したが、これまでに単独療法において
60mg/m2 の用量での有効性の報告があることなどより、本併用療法の
ドセタキセル投与量については今後の検討事項と思われる。
本先進医療で、日本人の進行期 HER2 陽性乳房外パジェット病患者
に対するドセタキセル、トラスツズマブ併用投与は、有効かつ安全で
あることが示された。希少癌である本疾患においては、進行期症例に
対する確立された標準治療や承認薬がないため、これまでは後方視研
究や症例報告を頼りに施設ごとに適応外での殺細胞性抗がん剤によ
る治療が選択されてきた。本先進医療を通じたエビデンスの創出が、
国内外の診療ガイドラインへの反映などを経て、将来的に進行期患者
における症状の改善や疾患の制御につながり、希少癌における診療水
準の向上に貢献することが期待される。
臨 床 研 究 jRCTs031180073
登録ID

UMIN000021311