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2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について (8 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/
出典情報 2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について(2/1)《福祉医療機構》
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2022-009

率を 1%引き上げることで得られる事業収益と

の傾向を表しているものと思われる。

は、その大部分が事業利益と近しい性質と解す
ることができる。その上積みの成否が経営面に

おわりに

如実に表れるのではないだろうか。

本稿では、2021 年度の老健の経営状況につ
いて、経年比較や施設類型別、黒字・赤字別な

社会保障審議会介護保険部会では、2022 年

どの視点で確認した。老健は、コロナ禍の影響

12 月 20 日付で「介護保険制度の見直しに関す

で 2020 年度に経営状況が悪化したが、2021 年

る意見」10が取りまとめられた。老健に関する

度は利用率の低下等に伴い、さらに悪化がみら

意見としては、「在宅復帰・在宅療養支援の機

れた。

能を更に推進していく観点から、必要な医療が
引き続き提供されるよう取組を進めることが必

ここで、あらためて利用率が経営状況に及ぼ
す影響の大きさについて考えてみる。2021 年

要である」と記載されている。このほかにも、

度の入所利用率の平均は 88.0%だったが、こ

食費・居住費の補足給付や多床室の室料負担な

れが例えば 89.0%であったらどうであろう。

ど、引き続きの検討事項も残されており、今後

指標の数値にするとわずか 1%の違いだが、入

の議論にも注視が必要だ。

所定員 100 名の場合だと年間で延べ 365 人の

在宅復帰・在宅療養支援機能が引き続き老健

違いとなり、事業収益にすると約 520 万円9の

に求められることが明確となったことからも、

増収につながる。

これまで以上に医療機関や家庭などの関係機関

それに対する費用面だが、入所者の平均 1 名

との連携に取り組み、地道な新規入所者の確保

の増減で人員配置に差異を設けることは考えに

と入所単価の引き上げが経営安定化のカギにな

くいため、人件費にほとんど差は生じないだろ

ると思われる。施設経営者のそうした取組みに

う。また、減価償却費や固定性の経費も、利用

あたって、本稿が少しでも参考になれば幸いで

率の影響を受けることはない。これら利用率の

ある。
最後になるが、コロナ禍の多忙ななかで、

影響を受けない固定費を合計すると、おそらく

2021 年度決算に係る事業報告書の提出にご協

事業費用のうち 7~8 割を占めるであろう。

力いただいた方々に感謝申し上げる。

つまり、すでに本格稼働している施設が利用

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TEL:03-3438-9932

9 2021 入所単価 14,243 円×365 人=5,198,695 円
10 厚生労働省「介護保険制度の見直しに関する意見」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001027165.pdf

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