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参考資料2○先進医療の保険導入等の検討について (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00054.html
出典情報 先進医療会議(第118回 2/2)《厚生労働省》
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参考資料2

第116回先進医療会議
(令和4年11月10日開催)
別紙3

別紙3

先進医療会議からの指摘事項に対する回答2
先進医療技術名:粒子線治療(陽子線治療,重粒子線治療)

令和 4 年 10 月 31 日
日本放射線腫瘍学会・理事長
慶応義塾大学・医学部・放射線科学教室・茂松直之
日本放射線腫瘍学会・理事,粒子線治療委員会・委員長
筑波大学・医学医療系・放射線腫瘍学・櫻井英幸
「縦隔腫瘍については,希少癌であるため患者アウトカムからのエビデンス創出が困難
な分野であり,前述したモデルベースドアプローチにより有用性を示すことを検討しま
す」とございますが,どれくらいの期間をかけて,どれくらいの症例を蓄積してアウト
カムを評価するのか,具体的なロードマップをお示しいただいてもよろしいでしょう
か.ご説明願います.
ご質問ありがとうございます.
モデルベースドアプローチは,粒子線治療の評価に役立つ有効な手法と考えております.
縦隔腫瘍に対して陽子線治療を実施した患者における臓器毒性・2 次発がんに関する評価
については,2016 年から 2020 年に縦隔腫瘍(胸腺腫/リンパ腫)に対して国内 9 施設で陽子
線治療を実施した約 20~25 例程度をモデルベースドアプローチの解析対象といたします.
実際に治療に用いられた陽子線治療の線量分布を評価し,胸部各臓器の照射線量を算出す
るとともに,比較対象として同一症例において同じ標的体積を用いた X 線治療による線量分
布を作成します.評価項目は心毒性と 2 次発がんのリスクとし,それぞれ数学的モデルを用
いてリスクを比較,評価いたします.心毒性のリスクは Lyman-Kutcher-Burman NTCP (LKBNTCP)1)モデルを用いて算出し,2 次発がんのリスクは各臓器の線量から患者の生涯にわた
る二次発がんのリスクを表す life time attribute risk (LAR)2)により評価いたします.
昨年度の粒子線治療の全例登録の解析においては,縦隔腫瘍 16 例(2016~2018 年登録例)
のうち,グレード3の晩期有害事象は心嚢水貯留 1 例のみでありました.来年度の報告とし
ては,モデルベースドアプローチの解析結果と,実際に長期的に観察された有効性/安全性
のデータをあわせて提出する予定といたします.
以上,ご質問に対する回答とさせていただきます.
1)LKB-NTCP モデル
放射線治療計画で作成された物理的な線量分布から正常組織の生物学的な反応を予測する
数学的なモデル.
Lyman JT. Complication probability as assessed from dose-volume histograms. Radiat Res Suppl.
1985;8:S13-9.

2)LAR
Schneider らにより提案された臓器別の 2 次発がんリスクの算出方法をベースに,照射時の

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