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資料2-2:田代委員提出意見 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30490.html
出典情報 生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議(第8回 1/26)《厚生労働省》
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議題2.「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」
一部改正(案)について
(田代委員提出意見)
本日欠席のため、今回提示された改正案(資料 2)につき、2 点意見を述べさせて頂きます。
合同会議にてご議論頂ければ幸いです。
1 点目は改正案に対する修正の要望です。具体的には第 4 章第 8 の 1 の(2)のアの(エ)
の①(ⅰ)
(資料 2 の 9 頁)に新たに追記された「当該既存資料を用いなければ研究の実施
が困難である場合」という要件については、
(ⅱ)にも追記するよう修正を提案します。こ
の部分は研究利用の同意が得られていない既存の生体試料の研究利用につき、これまで「社
会的に重要性の高い研究」に限る、とされていた要件を過去の指針の改正の経緯等も踏まえ
て、今回より明確な表現に修正したものです。しかし、結果として現在の案では学術研究機
関が学術目的で利用する場合(いわゆる「学術例外」)にのみこの要件が課されることにな
っており、これまでの指針制定・改訂の趣旨からしても、また現実的な利用の場面を考えた
場合にも不適切な利用を助長する可能性があり、修正すべきだと考えるに至りました。原案
のままでは、例えば、同じように製品開発を目的としない研究を実施する際に、大学病院や
研究所が利用する場合にはこの要件がかかる一方で、企業や一般病院が利用する場合には
この要件がかからないことになっており、その場合の利用の適切性の担保に疑問が残りま
す。特にこの論点に関しては、昨年末に科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会からの意
見書に応答するなかで、
「社会的に重要性の高い研究」の意味するところを過去の指針に遡
って明確化する作業が行われており、その整理を踏まえても、(ⅱ)のいわゆる「公衆衛生
例外」においてもこの要件を明確に課すことは妥当だと考えています。
2 点目は今後の課題として指摘させてください。第 4 章第 8 の 1 の(2)のアの(イ)の①
(資料 2 の 8 頁)に新たに追記された「インフォームド・コンセント困難な場合の適切な
同意」という規定についてです。
これについては既存の生体試料の研究利用について、これまで明示されていなかった「適切
な同意」による利用についても位置付けたという意味では整理が進んだと理解しています。
しかしその一方でパブコメの意見にも見られるように、具体的にこれに該当する場面を想
定することは困難であり、事実上は利用できない選択肢になっています。
そもそも「適切な同意」は「オプトアウト」とは異なり、明示の同意が取得できない場合の
代替的な選択肢ではなく、研究対象や研究内容に照らして指針で定める数十の説明項目等
を義務的に課さずともよい研究に対して、もう少し現実的な対応による同意取得を認めて
いるものだと理解しています。その点から考えると、本来ここで検討すべき論点は、これま
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