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資料3-9 大曲先生提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第103回 10/20)《厚生労働省》
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デルタ株流行期とオミクロン株流行期に新型コロナウイルス感染症のため国立国際医療研究センター病
院に入院し、死亡退院した患者の臨床像に関する報告
2022 年 10 月 7 日
国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター
櫻井彩奈、森岡慎一郎、大曲貴夫
背景:
第 6 波以降、日本国内では軽症・中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡者数が
増加している。しかし、死亡例の臨床像は明確になっていない。
方法:
2021 年 7 月~2021 年 9 月(以下、デルタ株流行期とよぶ)および 2021 年 12 月~2022 年 8 月(以
下、オミクロン株流行期とよぶ)に、国立国際医療研究センター病院(NCGM)に入院した COVID-19
患者(SARS-CoV-2 に対する微生物学的検査が陽性で、感染症法に基いて確定例として届出が提出され
た例)のうち、死亡退院した患者の年齢、性別、入院前から判明していた基礎疾患、入院前の日常生活動
作(ADL)の状況、COVID-19 ワクチン接種歴、入院中に生じた合併症、疾病・障害及び死因の統計分類
(ICD-10)
、臨床経過を記述し、比較した。
結果:
デルタ株流行期とオミクロン株流行期に NCGM に入院した COVID-19 患者のうち、死亡退院したの
はそれぞれ 20 名、24 名であった。年齢の中央値(四分位範囲)はそれぞれ 63.0 歳(55.3-78.0)、74.5 歳
(68.3-85.3)であり、9 名(45%)、18 名(75%)が男性であった。COVID-19 ワクチン接種回数は、
デルタ株流行期では 2 回が 1 名(5%)
、1 回が 2 名(10%)
、接種歴なしが 13 名(65%)
、接種歴不明が
4 名(20%)、オミクロン株流行期では 3 回が 4 名(17%)
、2 回が 6 名(25%)
、接種歴なしが 8 名(33%)

接種歴不明が 6 名(25%)であった。
次に、対象患者の臨床経過から、死亡の主たる要因を① 肺炎による呼吸不全、② 入院前合併症の増
悪、③ 入院中に生じた合併症の 3 群に分類した(表 1: デルタ株流行期、表 2: オミクロン株流行期)

デルタ株流行期では①が 16 名(80%)
、②が 3 名(15%)、③が 1 名(5%)であったのに対し、オミク
ロン株流行期では①が 7 名(29%)
、②が 11 名(46%)
、③が 6 名(25%)であった。肺炎による呼吸不
全で死亡退院したデルタ株流行期の 16 名とオミクロン株流行期の7名において、入院中最後に撮影した
胸部単純 CT 検査では、気管支およびその周囲を中心に病変のある者がそれぞれ 1 名(6%)、
4名
(57%)、
肺間質を中心に病変のある者がそれぞれ 15 名(94%)、3 名(43%)いた。
考察:
対象患者の臨床経過を記述するとともに、事例をその死亡の主たる要因から① 肺炎(COVID-19 肺炎
と誤嚥性肺炎を含む)
、② 入院前合併症の増悪、③ 入院中に生じた合併症の 3 群に分類した。
肺炎群は、気管支およびその周囲を中心に病変のある患者と、肺間質を中心に病変のある患者に大別さ
れた。典型的な SARS-CoV-2 感染によるウイルス性肺炎では、胸部 CT スキャン上肺間質の病変が認め

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