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資料1-2  令和3年度血液製剤使用実態調査について2(田中参考人提出資料) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23372.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会 適正使用調査会(第1回 1/24)《厚生労働省》
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令和3年度第1回適正使用調査会
資料1-2

令和 3 年度適正使用調査会

令和 3 年度血液製剤使用実態調査報告-2(適正使用調査会用資料)
「適正使用指針の見直し効果(影響)の分析」
日本輸血・細胞治療学会

輸血業務に関する総合的調査実施小委員会

【緒言】
これまで血液製剤の使用適正化については、1989 年の「輸血療法の適正化に関す
るガイドライン」において赤血球濃厚液・新鮮凍結血漿・アルブミン製剤、1994 には
血小板製剤の使用基準が策定された。その後も 1999 年、2005 年の大改定を含め、医
療の発展に伴い一部改定が積み重ねられてきた。一方、日本輸血・細胞治療学会では
厚生労働科学研究費補助金事業ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構
(AMED)研究開発事業「科学的根拠に基づく輸血ガイドラインの策定等に関する 研究」
において 2015 年より各血液製剤の「科学的根拠に基づいた使用ガイドライン」を作
成してきた。2018 年~2019 年には最新の医学的知見をまとめたガイドランの改訂第
2 版が作成されたことを反映し、2019 年 3 月に新たな「血液製剤の使用指針」が策定
された。今回この使用指針の見直しによる効果並びに適正使用推進の現状について報
告する。
【調査方法】
2020 年 4 月から 2021 年 3 月までの 1 年間を対象とした血液製剤使用実態調査の中
で適正使用についての項目とそれに関連する項目について分析した。
【調査結果】
1.輸血部門での適正使用の評価状況
血液製剤(赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤、アルブミン製剤、免疫グロブリン
製剤)の国の使用基準遵守について輸血部門で評価している施設の割合は総じて高く
なかった。最も良く評価されていた赤血球製剤(RBC)での評価率(全例評価と一部
評価の施設数/全施設数)が 36%、血小板製剤(PC)は 27%、血漿製剤(FFP)は 23%、
アルブミン製剤(ALB)は 22%、免疫グロブリン製剤(IG)は 11%であった。また、
RBC を評価していた施設のうち 77%は PC や FFP も評価し、47%はさらに ALB も評価
していた(300 床以上の施設)。一方、RBC の評価を行っていなかった施設の 84%で
は PC、FFP、ALB の評価もしていなかった(同規模の施設)(図 1)。
血液製剤の使用基準遵守の判断には、RBC では 88%の施設で Hb 値、PC では 86%の
施設で血小板値が用いられ、目安となる数値も前者で Hb7~8g/dL、後者で 1~2 万/
μL(造血器腫瘍での予防的投与の場合)に収束した。一方、FFP での使用基準遵守の
判断に PT を使用していた施設は 69%、フィブリノゲン値は 60%で、PT の目安の数
値に幅がみられると共に「具体的数値の規定なし」とする施設も少なくなかった(前
者で 38%、後者で 25%)。また、ALB の基準遵守の判断に血中アルブミン値を使用し
ていた施設は 79%だったが、目安の数値は 2.0~3.0g/dL の間に分かれた(図 2)。
RBC 輸血のトリガー値(Hb7g/dL)が強く推奨される病態(消化管出血による急性
貧血、敗血症患者での貧血)で使用基準遵守の評価を他の病態よりも厳密に行ってい
たのは RBC の評価実施施設の 34%であった。PC 輸血不応状態の患者について診療科
にアドバイスをしていたのはそのような患者がいる施設の 32%だった。血漿交換療
法での FFP の用量・用法を評価していたのは、FFP の評価を行っていた施設の 22%、
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