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資料1-1  令和3年度血液製剤使用実態調査について1(牧野参考人提出資料) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23372.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会 適正使用調査会(第1回 1/24)《厚生労働省》
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令和 3 年度適正使用調査会
に 1.5%であった。また、この傾向は将来的にも続く可能性が高いという回答結果であった。しかし、
「大
量輸血プロトコール」に基づいた緊急大量出血への対応時において、フィブリノゲン製剤が薬剤部管理で
あることは、同製剤の適正使用の監視が不十分になる可能性が高い。アルブミン製剤の管理を輸血部に移
管したときと同様、フィブリノゲン製剤の管理も輸血部にて行うよう、指導・勧告が望まれる。

【小括 1】
① 大量出血・大量輸血時の凝固障害に対して使用する製剤が FFP のみと回答した施設が多い。大量輸
血プロトコールが未だ整備されていない可能性があり、輸血部専属教員が不在で濃縮フィブリノゲ
ンの必要性が認知されにくいことや、輸血部スタッフの人員が少なくクリオ製剤の作製・備蓄が困難
であるなどの可能性が考えられる。
② クリオおよびフィブリノゲン製剤の1回使用量は、クリオ製剤は平均3バッグであり、フィブリノゲ
ン製剤は平均3g であり、おおよそ適正な使用量である。しかし、クリオ製剤はバッグごとにフィブ
リノゲン含有量が異なるために、やや少ない可能性がある。今後の検討が必要である。
③ クリオ製剤は FFP-480 製剤の使用が多く、血液型に関しては患者同型と AB 型 FFP の使用がほ
ぼ同数であった。
④ クリオ製剤の廃棄は 2%程度であった。
⑤ 今後の課題としては、
a) フィブリノゲン製剤の多くは適応外使用であり、2021 年 9 月に産科領域は適応拡大した
が、心臓血管外科や外傷領域での早期の適応拡大が待たれる。現時点ではクリオ製剤の使用
施設が多い。
b) クリオ製剤は FFP からの院内調製製剤であり、急な使用には適しないため、輸血部との連
携が必要である。主に FFP-480 製剤が使用されているが、TRALI などの有害反応の面か
らも、日赤の供給体制からも FFP-240 製剤の使用が望ましく、日本輸血・細胞治療学会の
ガイドライン(大石晃嗣、ほか:FFP-LR240 を用いたクリオプレシピテート作製プロト
コール 日本輸血細胞治療学会誌 65(1):10-20, 2019)にも記載しているが、費用およ
び手間の面からもなかなか使用されていない。
c) フィブリノゲン製剤の管理部門は、ほとんど薬剤部門であり、今後輸血部へ移行することは
可能であると回答した施設はわずか 6.1%であり、フィブリノゲン製剤の使用に際しては管
理部門の整備が必要である。

II.

僻地・離島における輸血医療体制について
※僻地とは、
「無医地区」

「準無医地区(無医地区に準じる地区」などの僻地保健医療対策を実施することが必要とされ
ている地域とする。
1)無医地区とは、医療機関のない地域で、当該地域の中心的な場所を起点として概ね半径 4Km の区域内に人口 50 人
以上が居住している地域であって、かつ、容易に医療機関を利用することができない地区。
2) 準無医地区とは、無医地区には該当しないが、無医地区に準じ医療の確保が必要な地区と各都道府県知事が判断し、
厚生労働大臣に協議し適当と認めた地区。

*僻地・離島からは 138 施設(僻地 96 施設、離島 42 施設)から回答があった。

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