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資料2-2 指摘事項に対する回答 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27294.html
出典情報 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第137回 8/18)《厚生労働省》
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先進医療総括報告書の指摘事項に対する回答2
先進医療技術名:S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセ
ル腹腔内投与の併用療法
2022 年 8 月 12 日
所属・氏名:名古屋大学医学部附属病院消化器外科 小寺 泰弘
名古屋大学医学部附属病院消化器外科 小林 大介
1.腹膜播種のある患者群の 3 年生存率は現時点の標準治療あるいは過去の治験
などでどの程度でしょうか。
【回答】
先行研究である腹膜播種を伴う胃癌を対象とした PHOENIX-GC 試験では、S-1
およびパクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法の 3 年全生存割合は 22%であり、対照
群である S-1/シスプラチン併用療法の 3 年全生存割合は 6%でした。

2.本試験においては、卵巣以外の遠隔転移を有する症例が除外されていますが、
一般的に、腹膜播種があって遠隔転移がある患者群と、腹膜播種があって遠隔転
移がない患者群との間にどの程度の予後の差があるのかご教示ください。
【回答】
腹膜播種、他臓器への遠隔転移、遠隔リンパ節転移を伴う切除不能進行胃癌に
対して化学療法は第一選択の治療法となりますが、これまでの臨床試験や治験
で開発されてきた胃癌に対する化学療法は、これらの遠隔転移を切除不能因子
として包括しており、一般的に腹膜播種のみを遠隔転移として有する群と腹膜
播種とその他の遠隔転移を有する群を比較したデータはございません。しかし、
胃癌は多数の転移経路のいずれもが予後に関わりうる疾患であり、腹膜播種が
ある程度制御されていても例えば高度な肝転移があればそちらで死に至ります
ので、一般論として高度な遠隔転移を有する腹膜播種例は有さない症例よりも
さらに予後が悪いものと推察されます。腹腔内投与されたパクリタキセルは血
中への移行が悪く、腹膜転移にしか効果が無いと考えられておりますので、本試
験は腹膜播種に特化した治療法を開発する観点で腹膜播種以外の遠隔転移を有
する症例を除外いたしました。実際に腹膜播種のみが診断されている症例や腹
膜播種の程度が著しくこちらが予後を決めると推察される症例は数多く存在す
るので、このような治療法をこうした対象症例で検証する臨床的意義はあると
考えてのことです。

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