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参考資料1 一般用医薬品の適正使用の一層の推進に向けた依存性の実態把握と適切な販売のための研究 (29 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27051.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第7回 7/27)《厚生労働省》
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あった。
4.

適正販売の取り組み事例としては、こまめな声掛けや、陳列の工夫(カウンターの背後に置く、
1 箱のみ又は空箱の陳列等)が多く、販売記録の作成、注意喚起の POP の作成、対象商品購入
時にレジで確認できるシステムの導入、近隣店舗との情報共有といったものがあげられた。

【結論】
「濫用等のおそれのある医薬品」は店舗販売業等での取り扱いが多く、適正販売の徹底につ
いては、薬局だけでなく店舗販売業等の販売の実情も踏まえて対策を検討していくことが効果的と
考える。
また、頻回購入及び複数個購入の実態がある製品のうち、薬局・店舗販売業等でいずれも事例が
多かった上位5つの製品名は、ブロン錠/ブロン液(鎮咳・去痰薬)
、新トニン咳止め液/咳止め液Ⅾ
(鎮咳・去痰薬)
、パブロン/パブロンゴールドA/パブロンSゴールド(総合感冒薬)
、ウット(鎮
静剤)
、ナロン/ナロンエース/ナロンエースT(鎮痛薬)であることが確認できた。これらの製品の
うち、
「濫用等のおそれのある医薬品」として指定されているものについては、適正販売の一層の徹
底が求められる。一方で、その用途から「濫用等のおそれのある医薬品」としての規制の対象にな
っていない一部の製品(パブロン/パブロンゴールドA/パブロンSゴールド、エスタック等)にお
いても、本研究で頻回購入及び複数個購入の実態が確認されたことから、これらの製品も含め、適
正販売の徹底に向けた取り組みも必要であることが示唆された。
適正販売の徹底に向けては、事例収集の結果から、陳列の工夫、注意喚起資材の掲示、販売記録
の作成、レジでの対象製品の管理が現場での頻回購入及び複数個購入の未然防止対策につながって
いることが確認された。
なお、アンケート調査では頻回購入及び複数個購入につながらないような当該製品自体の工夫が
望ましいとする現場の声も複数あり、今後は販売側に加え製造販売業者による取り組みについても
検討が必要と考えられる。
A. 研究目的

状況の調査において、「濫用等のおそれのある

これまでに、全国の精神科医療施設の医師を

医薬品」の販売に際し、必要な確認等がなされ

対象とする調査において、一般用医薬品による

ていない事例が一定数存在することが報告さ

依存が疑われる事例が一定数存在することが

れている 3)。加えて、それらの医薬品の販売の

報告されている。2018 年度に実施された「全国

実態、すなわち、どのような製品が頻繁に購入

の精神科医療施設における薬物関連精神疾患

されているのか、販売の際の体制はどのように

の実態調査」によれば、対象となった計 2,609

なっているのかといったことについてはこれ

症例のうち6%が一般用医薬品を主たる薬物
とする症例であった 1)
。この問題については対

まで十分に調査されていない。
本研究では、
「濫用等のおそれのある医薬品」

策もとられており、一般用医薬品のうち依存の

を取り扱っている薬局・店舗販売業及び薬局・

原因となるおそれのある6成分(エフェドリン、

店舗販売業併設(以下「店舗販売業等」という。


コデイン、ジヒドロコデイン、ブロムワレリル

の販売体制・販売経験の実態について調査し、

尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェド

その結果を分析することで、適切な販売の好事

リン)を使用している医薬品については、
「濫用

例等を公表することや、適切な販売の実施のた

等のおそれのある医薬品」
(薬効群・剤形により

めのガイドライン等の検討を行うことを目的

一部を除外)として厚生労働大臣により指定さ

とする。

れ、販売時の数量制限、購入理由の確認等、適
正使用のための追加の方策がとられている 2)。

B. 研究方法
本研究では、一般用医薬品の販売を主に担う

しかしながら、全国の薬局等を対象とする販売
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