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・資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00007.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和4年度第1回 7/26)《厚生労働省》
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参考情報

1

(ⅳ) 関連法規に定める微生物によるリスク

55

が求められる6-8).

11 .

2

法律 2-5) により定められている微生物種,株及び毒素は,そ

56

・管理組織における役割,権限,責任を明確にする.

3

れらの使用,所持,保管,移動などに当たり,関連する法律を

57

・バイオリスクマネジメントに関する責任者を置く.

4

遵守する.一般的事項については,それらを詳述した法令,通

58

・バイオリスクマネジメントの担当者を置く.

5

知,事務連絡などを参照する.

59

・バイオリスクマネジメント運営のための規則並びに計画を策

6

2.1.2 取扱い作業によるリスク

60

定する.

7

(ⅰ) 取り扱う微生物の形状や量によるリスク

61

8

ピペット操作などは飛沫やエアロゾルを発生する場合が多く, 62

実施する内容には,以下のものがある.
・実験室バイオセーフティ上問題になるリスクを低減する.

9

微生物を含むエアロゾルは気流によって広範囲に拡散するリス

63

・バイオセキュリティ上問題になるリスクを低減する.

10

クが大きい.取り扱う微生物種,株及び毒素の量が多くなるに

64

・バイオリスク教育・訓練を実施する.

11

従い,それらに付随するリスクが高くなることを考慮する.

65

・管理区域の施設・設備の維持管理計画を策定して実施する.

12

(ⅱ) 微生物取扱い者の技量によるリスク

66

・関連法規を遵守する.
3.2. 実験室バイオセーフティ上問題になるリスクの低減

13

取り扱う微生物に関する十分な知識を有しない者又は適切な

67

14

微生物の取扱い方法について十分な教育・訓練を受けていない

68

微生物取扱いにおけるリスク低減対策には,主なものとして

15

者の作業は,リスクが高くなることを考慮する.

69

安全管理,個人用防護具,安全機器・器材,物理的封じ込め施

16

(ⅲ) 取り扱う器具の形状によるリスク

70

設・設備の4要素がある.バイオリスクに応じて4要素を組み

17

ガラス器具を作業に用いることは,破損によって微生物を含

71

合わせた実験室バイオセーフティ対策(表2)を行い,リスクを

18

む内容物の汚染リスクが高くなるだけではなく,破損物で生ず

72

低減する9).

19

る傷などを介して感染するリスクが高くなることを考慮し,ガ

73

(ⅰ) 安全管理(Safety Management)

20

ラス器具を用いる際には,リスクを考慮して用途を検討する.

74

21

(ⅳ) 作業内容に伴うリスク

75

要である.

安全管理には,関連する全ての事項を含み,以下のものが必

22

液体又は粉体を含む容器の開封,ピペット又はピペッターを

76

・微生物の安全な取扱いに必要な諸項目に関する規則を策定す

23

用いた液体の取扱い,ボルテックスミキサーによる液体の攪拌,

77

る.

24

遠心分離後の上清を他の容器に移し替える操作などは,エアロ

78

・標準微生物学実験手技(GMT)に基づく標準作業手順書を整

25

ゾルを発生させるリスクが高くなることを考慮する.

79

備する.

26

(ⅴ) 作業工程ごとのリスク

80

・標準微生物学実験手技(GMT)を取得するため,継続的な教

27

81

育・訓練を行う.

28

異なることを考慮する.

82

・微生物取扱い者の健康管理に関し,使用する微生物に対する

29

(ⅵ) 微生物の受入・分与のリスク

83

ワクチンなどの効果的な予防法がある場合には,微生物取扱い

84

者のワクチン接種歴を把握する.

30

作業工程が複数ある場合,各工程の作業内容によりリスクが

微生物,株及び毒素の受入・分与に伴い,新たなリスクが生

31

じることを考慮する.

85

・緊急時対策を整備する.

32

(ⅶ) 微生物移動時のリスク

86

・バイオリスク教育・訓練を実施する.
(ⅱ) 個人用防護具

33

微生物を含む試料を移動する際には,管理区域内移動と管理

87

34

区域外への移動の場合でリスク(外部への影響)が異なることを

88

作業時には,適切な個人用防護具(PPE)を用い,微生物曝露

35

考慮する.

89

のリスクを低減する.個人用防護具(PPE)は,取り扱う微生物

36

(ⅷ) 感染性廃棄物のリスク

90

の特徴と感染経路及び作業内容によって適切なものを選択する.

37

作業中に微生物で汚染した全ての器具や試料は,消毒,除染

91

(ⅲ) 安全機器

38

又は滅菌して微生物を不活化させるまでは感染のリスクがある

92

電動ピペットなどを用い,微生物取扱い者が直接微生物に接

39

感染性廃棄物として取り扱う.

93

触することが無いようにする.器具・器材は破損しにくい材質

40

(ⅸ) 緊急時のリスク

94

の漏出しない容器を使用する.注射針などの鋭利な器具を廃棄

95

する際は,鋭利な器具が貫通しない容器(注射針回収容器など)
に廃棄する.

41

微生物取扱い者の微生物曝露,施設・設備の汚染,微生物の

42

管理区域外漏洩などが発生した時の緊急時対応を考慮する.

96

43

2.2. バイオセキュリティ上問題になるリスク

97

微生物を開放系で取り扱う作業は,生物学用安全キャビネッ

44

微生物を取り扱う施設への入室管理や微生物の保管管理方法

98

トなどの中で行い,発生するエアロゾルに含まれる微生物の曝

45

が適切にとられていない状況は,微生物への不正アクセス,紛

99

露や作業場所への拡散のリスクを低減する.エアロゾル感染の

46

失,盗難,濫用,悪用,流用,意図的な放出などがバイオセキ

100

リスクが高い試料は,エアロゾルを封じ込める対策を施した遠

47

ュリティ上のリスクになる.

101

心機を使用する.生物学用安全キャビネットなどの中で使用し

48

3. 微生物取扱いにおけるリスク低減対策

102

た安全機器などは,生物学用安全キャビネットなどの中で消毒

49

評価により明らかになった各リスクに対しては,微生物取扱

103

後に持ち出す.

50

い者や関連者にリスクを及ぼさないように,必要な対策を講じ

104

51

てリスクを低減する.実施に当たっては,以下の内容を含む.

105

ないクリーンベンチで取扱わない.

52

3.1. バイオリスクマネジメント体制の構築

106

(ⅳ) 物理的封じ込め施設・設備

微生物(芽胞や胞子を含む)は,封じ込め性能が担保されてい

53

微生物を保有し,取り扱う機関は,微生物取扱い者の人数に

107

微生物の特性及び作業内容をもとにリスクアセスメントでリ

54

係わらず,バイオリスクマネジメントに関する管理組織の構築

108

スクレベルを設定し,必要な物理的封じ込め施設・設備を使用

25