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資料8-5 鈴木委員提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2026/0624agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(第8回 6/24)《内閣府》
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資料8-5

第五回日本成長戦略会議メモ
鈴木一人

まず、資料 1 に関して、官民投資の累計が 2040 年度までの 15 年間で 370 兆円超となるのは、極めて
巨額ではあるが、62 の「主要な製品・技術等」に関するものを積み上げていけば、官民でこれだけの
投資が行われることに違和感はない。ただ、こうした数字が独り歩きすることは望ましくなく、本来
の成長戦略にある、AX を推進し、日本の産業を次のフェーズに進めていくことが重要なポイントで
ある。おそらくメディアは「370 兆円超」という点にだけ注目するだろうが、数字を積み上げることは
「戦略」ではない。あくまでも AX を軸とする産業刷新と、「成長投資」「危機管理投資」を通じて、
自律性と不可欠性を高めていくことが戦略目標であり、そのための手段としての官民投資であること
を改めて確認しておきたい。

次に、資料 2 についてであるが、ここに並べられた 62 の「主要な製品・技術等」は、リストを見るだ
けでもワクワクするものが多い。全てではないが、AX に引きつけたテーマの並びになっており、2040
年度に向けてのイメージを持ったリストになっているという印象を受けている。しかし、これらが「自
律性」と「不可欠性」とどのようにつながっているのか、と言う点は必ずしも明確ではない。これら
の製品や技術によって、日本が他国への依存を減らし、より強靱な経済を築けるか、また、他国には
ないものを生み出し、他国が日本に依存する状況をどうやって作れるかを考えて行く必要がある。そ
のためにも「自律性」と「不可欠性」にどう貢献するのかを明記することが望ましい。

資料 5 について、総理発言にあるように「新たな投資枠」を設定し、恒常的な施策に関しては当初予
算の中に組み込んでいくというのは、財政民主主義の観点からしても適切な対応であると考える。ま
た「新たな投資枠」が複数年度で組まれていることで、予見可能性を高め、民間の投資を引き出すた
めの公的支出になっていると理解している。公債等残高の GDP 比、PB 対 GDP 比が現状投影ケースの
場合、現状よりも悪化することが見込まれるため、成長戦略を実現しなければならないという「背水
の陣」の構えであると理解している。成長戦略が実現しなければ、次の世代に負債を残す結果となる
だけに、成長戦略の実現に向けて継続的に努力し、PDCA を回していくことが不可欠である。

資料 7 に関して、地域未来戦略を展開するにあたり、国レベルでの戦略産業クラスターを作って行く
上でも、それは特定の地域に偏りを生む可能性がある。例えば半導体は九州と北海道に資源が集中し
ているが、これらの地域においては、都道府県が行う地域産業クラスター計画と市町村が行う地場産
業成長プランとの間での調整が必要となると思われる。また、限られた資源である人材をどのように
分配していくのか、という問題も生まれてくるだろう。とりわけ戦略産業は高度な人材が必要とされ
る中、そこに人材が集中してしまうと地域産業や地場産業が人材不足に陥る可能性がある。こうした
調整を進めるメカニズムを含めた戦略にしていくべきであろう。

(了)