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感染症週報 2026年第14週(3月30日-4月5日) (10 ページ)
出典
| 公開元URL | https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/idwr/2026/index.html |
| 出典情報 | 感染症週報 2026年第14週(3月30日-4月5日)(4/17)《国立感染症研究所》 |
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Infectious Diseases Weekly Report Japan
2026年 第14週
(3月30日〜 4月5日)
:通巻第28巻 第14号
注目すべき感染症
◆麻しん 2026年第1~14週(2026年4月8日現在)
麻しんは麻疹ウイルスを病原体とする感染症であり、高熱、全身の発疹、カタル症状を特徴
とする。主に空気感染・飛沫感染・接触感染を感染経路とし、感染力は非常に強い。乳幼児
が麻しんに罹患した時に合併することが多い麻しん肺炎、麻しん患者1,000~2,000人に一人の
割合で合併する麻しん脳炎は麻しんによる主要な死亡原因である。また、主に乳児期に麻しん
に罹患・回復した後、数年~十数年の期間を経て、重篤な亜急性硬化性全脳炎(subacute
sclerosing panencephalitis:SSPE)を発症することがある。麻しんに対する特異的な治療法
はなく対症療法が中心となるが、予防接種を受けることで、麻しんの発症を防いだり、かかっ
たとしても重症化を予防することができる。日本は2015年にWHOの西太平洋地域麻しん排除
認定委員会より麻しん排除状態にあると認定され、その後も2024年まで排除状態の維持が確
認されている。排除状態を維持するために麻しんに関する特定感染症予防指針(平成19年厚生
労働省告示第442号:https://www.mhlw.go.jp/content/000503060.pdf)が定められている。
本稿は、主に感染症発生動向調査に基づく国内の麻しんの疫学状況に関する直近の情報を提
供することを目的としてまとめたものである。
2026年第1~14週に診断された麻しんの累積報告数(2026年4月8日現在)は236例であり、
2020~2025年のいずれの年の同期間累積報告数も上回った。診断週別にみると、第1~4週は
0~5例であったが、その後報告数は増加し、第11週以降は28~34例で推移するなど、直近で
は高水準の報告が続いている。
報告された236例のうち、234例が届出に必要な病原体診断を満たした検査診断例であり、
うち、主たる臨床3症状(発疹、発熱、カタル症状)すべてを満たす典型的な「麻しん」が161例、
臨床3症状のうち、1つもしくは2つを満たす「修飾麻しん」が73例であった。性別では男性
158例、女性78例であり、年齢中央値は27歳(範囲0~65歳)であった。23都道府県から報告が
あり、都道府県別の報告数は、東京都で72例、鹿児島県で27例、愛知県23例、千葉県および
神奈川県で各20例の順で多かった。都道府県別にみると、第11週以降は東京都および鹿児島
県で大幅な報告数の増加がみられた。推定感染地域は国内が156例(うち都道府県不明22例)、
国内・国外が5例(千葉県/ニュージーランド4例、愛知県/トルコ/カナダ/ドイツ1例)、国外
が30例(インドネシア12例、ニュージーランド7例、インド3例、韓国1例、シンガポール1例、
フィリピン1例、米国1例、ベトナム1例、インドネシア/シンガポール1例、ベトナム/タイ1例、
フィンランド/イタリア/フランス1例)、国内・国外不明が45例であった。医療機関や保健所
等により収集されたワクチン接種歴について、1~5歳(第1期定期接種済み年齢群)と、6歳以
上(第2期定期接種済み年齢群)に分けて接種歴を整理したところ、1~5歳の8例では、接種歴
なしが6例、1回が2例であった。一方、6歳以上の226例では、接種歴なしが33例
(15%)、1回が
30例(13%)、2回が73例(32%)、不明が90例(40%)であった。2回接種歴ありの73例のうち麻
しんは33例、修飾麻しんは40例であった。接種歴なしの39例は全て麻しんであった。典型的な
麻しんでは接種歴のない症例が多くみられた。なお、2回接種歴のある麻しん症例も一定数報
告されているが、接種回数別の症例数のみを単純に比較してワクチン接種の有益性を評価する
ことはできない。特に若年層では2回接種歴のある者が接種歴のない者を大きく上回っている
ことを踏まえると、2回接種者では麻しんの発症リスクは相対的に低いと考えられた。我が国で
は、麻しんに対する定期接種が1978年に開始され、2006年度からは現行の定期接種スケジュー
ルである麻しんの第1期および第2期の2回接種が実施されている。
Ministry of Health, Labour and Welfare / Japan Institute for Health Security, National Institute of Infectious Diseases
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2026年 第14週
(3月30日〜 4月5日)
:通巻第28巻 第14号
注目すべき感染症
◆麻しん 2026年第1~14週(2026年4月8日現在)
麻しんは麻疹ウイルスを病原体とする感染症であり、高熱、全身の発疹、カタル症状を特徴
とする。主に空気感染・飛沫感染・接触感染を感染経路とし、感染力は非常に強い。乳幼児
が麻しんに罹患した時に合併することが多い麻しん肺炎、麻しん患者1,000~2,000人に一人の
割合で合併する麻しん脳炎は麻しんによる主要な死亡原因である。また、主に乳児期に麻しん
に罹患・回復した後、数年~十数年の期間を経て、重篤な亜急性硬化性全脳炎(subacute
sclerosing panencephalitis:SSPE)を発症することがある。麻しんに対する特異的な治療法
はなく対症療法が中心となるが、予防接種を受けることで、麻しんの発症を防いだり、かかっ
たとしても重症化を予防することができる。日本は2015年にWHOの西太平洋地域麻しん排除
認定委員会より麻しん排除状態にあると認定され、その後も2024年まで排除状態の維持が確
認されている。排除状態を維持するために麻しんに関する特定感染症予防指針(平成19年厚生
労働省告示第442号:https://www.mhlw.go.jp/content/000503060.pdf)が定められている。
本稿は、主に感染症発生動向調査に基づく国内の麻しんの疫学状況に関する直近の情報を提
供することを目的としてまとめたものである。
2026年第1~14週に診断された麻しんの累積報告数(2026年4月8日現在)は236例であり、
2020~2025年のいずれの年の同期間累積報告数も上回った。診断週別にみると、第1~4週は
0~5例であったが、その後報告数は増加し、第11週以降は28~34例で推移するなど、直近で
は高水準の報告が続いている。
報告された236例のうち、234例が届出に必要な病原体診断を満たした検査診断例であり、
うち、主たる臨床3症状(発疹、発熱、カタル症状)すべてを満たす典型的な「麻しん」が161例、
臨床3症状のうち、1つもしくは2つを満たす「修飾麻しん」が73例であった。性別では男性
158例、女性78例であり、年齢中央値は27歳(範囲0~65歳)であった。23都道府県から報告が
あり、都道府県別の報告数は、東京都で72例、鹿児島県で27例、愛知県23例、千葉県および
神奈川県で各20例の順で多かった。都道府県別にみると、第11週以降は東京都および鹿児島
県で大幅な報告数の増加がみられた。推定感染地域は国内が156例(うち都道府県不明22例)、
国内・国外が5例(千葉県/ニュージーランド4例、愛知県/トルコ/カナダ/ドイツ1例)、国外
が30例(インドネシア12例、ニュージーランド7例、インド3例、韓国1例、シンガポール1例、
フィリピン1例、米国1例、ベトナム1例、インドネシア/シンガポール1例、ベトナム/タイ1例、
フィンランド/イタリア/フランス1例)、国内・国外不明が45例であった。医療機関や保健所
等により収集されたワクチン接種歴について、1~5歳(第1期定期接種済み年齢群)と、6歳以
上(第2期定期接種済み年齢群)に分けて接種歴を整理したところ、1~5歳の8例では、接種歴
なしが6例、1回が2例であった。一方、6歳以上の226例では、接種歴なしが33例
(15%)、1回が
30例(13%)、2回が73例(32%)、不明が90例(40%)であった。2回接種歴ありの73例のうち麻
しんは33例、修飾麻しんは40例であった。接種歴なしの39例は全て麻しんであった。典型的な
麻しんでは接種歴のない症例が多くみられた。なお、2回接種歴のある麻しん症例も一定数報
告されているが、接種回数別の症例数のみを単純に比較してワクチン接種の有益性を評価する
ことはできない。特に若年層では2回接種歴のある者が接種歴のない者を大きく上回っている
ことを踏まえると、2回接種者では麻しんの発症リスクは相対的に低いと考えられた。我が国で
は、麻しんに対する定期接種が1978年に開始され、2006年度からは現行の定期接種スケジュー
ルである麻しんの第1期および第2期の2回接種が実施されている。
Ministry of Health, Labour and Welfare / Japan Institute for Health Security, National Institute of Infectious Diseases
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