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事例2 大川市おひとりさま支援事業 ~簡易な金銭管理・意思決定支援~ (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/zenbun/07pdf_index.html |
出典情報 | 令和7年版高齢社会白書(6/10)《内閣府》 |
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CS
大川市おひとりさま支援事業
高齢化の状況
事例2
第1章
!
T
I
OP
ト ピ ッ ク ス
~簡易な金銭管理・意思決定支援~
事業の目的・概要
福岡県大川市(人口 30,880 人、高齢化率 37.2%(令和7年3月 31 日現在)
)では、一人暮らしの高齢
者や親族による支援が困難な市民が増加し、金銭管理や生活支援などを担う人がいないために、日常生活の
ちょっとした困りごとへの対応や入院・入所手続や支払いができない高齢者が顕在化していた。
このような問題に対応するため、大川市では、市、市社会福祉協議会(以下「社協」という。)、市成年後
見センター及び地元の金融機関等が連携し、令和6年2月に「大川市おひとりさま支援事業(以下「支援事業」
という。)」を開始した。
具体的な取組内容
支援事業では、①予算管理機能付きカード等
を使った日常的金銭管理サービス、②意思決定サ
支払いのための支援を行っている。
一つ目の日常的金銭管理サービスは、事業者が
提供するアシスタント機能付きプリペイドカード
の仕組みを活用したもので、その特徴は、1日に
利用できる金額を利用者ごとに柔軟に設定できる
主
体
日常的金銭管理サービス
事業者
担
い
手
大川市社会福祉協議会及
び、大川市と協定を締結
した金融機関
の意思決定サポーター養成研修修了者が支援対象
大川市の意思決定サポー
大川市成
ター養成研修修了者で市に 年後見セン
登録した者
ター
大川市、権
利擁護ネットワ
ク会議
大川市
利用者証発
行、相談・
苦情の対応
専門職チー
ム
困難ケース
に対する助
言、定期的
な状況確認
大川市社会福祉協議会
・利用相談受付、アセス
メント
・預金通帳、印鑑、エン
ディングノート等の預か
り
・チャージ設定
金融機関
・入院や入所時の費用支
払い
本
人
負
担
※目安の金額
【利用者の要件】以下の両方に該当する大川市民
・事業内容等が一定程度理解でき、 .$(58カードを利活用できる者
【一般】円月 【生保】円月
参考:成年後見制度の場合(報酬助成の上限額) ・親族がいない、親族が障害又は認知症等により判断力が低下している、
又は親族との関係が著しく疎遠である等の理由により親族から支援が得
【在宅】円月 【施設等】円月
カードの停止・再開等の操作を遠隔から行えると
二つ目の意思決定支援は、大川市に登録した市
管理監督団体
役
割
等
ことや、カード利用者の支援者が、履歴の閲覧や
いうものである。
意思決定サポーター
・定期的な訪問(月2回、
1回1時間まで)
・行政手続きへの同行など
を含む本人の意思決定支援
・.$(58カードや3D\3D\
アプリの使い方相談支援
※直接的な金銭管理や代理
行為はしない
第3節 〈特集①〉高齢者の経済生活をめぐる動向について
ポーターによる意思決定支援、③入院・入所費用
大川市の取組み~簡易な金銭管理・意思決定支援~
大川市おひとりさま支援事業における各主体の役割等
・意思決
定サポーター
の登録・
管理・マッチ
ング・
・本人へ
のモニタリング
られない者
者へ定期的な訪問を行うとともに、行政手続きへ
の同行などを含む本人の意識決定への支援を行っている。
三つ目の入院等費用支払い支援は、入院時などに本人が金融機関に行けない場合の入院費の振り込みについて、
通帳や印鑑がなくても病院の請求に基づき市と協定を締結した金融機関から振り込まれるというものである。
事業効果
令和6年 12 月末時点で支援事業を3名が利用しており、意思決定サポーターは8名が登録されている。事業
の利用によって、意思決定サポーターの支援を受けながら、自分のための買い物や将来に向けた貯金など、お金
の使い方を利用者自身で決めることができるので、利用者のやってみたいことが広がり、生活が充実したものと
なっている。また、市、社協、市成年後見センター、金融機関、医療機関、さらには弁護士・司法書士・社会福
祉士といった専門職チームなどと、現状の認識や連携の必要性に関する理解が促進された。
今後の展開
今後も人口減少が進んでいくことが見込まれる中で、人材不足に対応していく必要がある。例えば、意思決定
サポーターを専門職ではなく身近な住民が担えるような役割を検討し、気軽に関わってくれる人たちを増やすた
めに、社会モデルを学び当事者と対話する演習を中心とした研修を継続的に実施していくことを考えている。
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大川市おひとりさま支援事業
高齢化の状況
事例2
第1章
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~簡易な金銭管理・意思決定支援~
事業の目的・概要
福岡県大川市(人口 30,880 人、高齢化率 37.2%(令和7年3月 31 日現在)
)では、一人暮らしの高齢
者や親族による支援が困難な市民が増加し、金銭管理や生活支援などを担う人がいないために、日常生活の
ちょっとした困りごとへの対応や入院・入所手続や支払いができない高齢者が顕在化していた。
このような問題に対応するため、大川市では、市、市社会福祉協議会(以下「社協」という。)、市成年後
見センター及び地元の金融機関等が連携し、令和6年2月に「大川市おひとりさま支援事業(以下「支援事業」
という。)」を開始した。
具体的な取組内容
支援事業では、①予算管理機能付きカード等
を使った日常的金銭管理サービス、②意思決定サ
支払いのための支援を行っている。
一つ目の日常的金銭管理サービスは、事業者が
提供するアシスタント機能付きプリペイドカード
の仕組みを活用したもので、その特徴は、1日に
利用できる金額を利用者ごとに柔軟に設定できる
主
体
日常的金銭管理サービス
事業者
担
い
手
大川市社会福祉協議会及
び、大川市と協定を締結
した金融機関
の意思決定サポーター養成研修修了者が支援対象
大川市の意思決定サポー
大川市成
ター養成研修修了者で市に 年後見セン
登録した者
ター
大川市、権
利擁護ネットワ
ク会議
大川市
利用者証発
行、相談・
苦情の対応
専門職チー
ム
困難ケース
に対する助
言、定期的
な状況確認
大川市社会福祉協議会
・利用相談受付、アセス
メント
・預金通帳、印鑑、エン
ディングノート等の預か
り
・チャージ設定
金融機関
・入院や入所時の費用支
払い
本
人
負
担
※目安の金額
【利用者の要件】以下の両方に該当する大川市民
・事業内容等が一定程度理解でき、 .$(58カードを利活用できる者
【一般】円月 【生保】円月
参考:成年後見制度の場合(報酬助成の上限額) ・親族がいない、親族が障害又は認知症等により判断力が低下している、
又は親族との関係が著しく疎遠である等の理由により親族から支援が得
【在宅】円月 【施設等】円月
カードの停止・再開等の操作を遠隔から行えると
二つ目の意思決定支援は、大川市に登録した市
管理監督団体
役
割
等
ことや、カード利用者の支援者が、履歴の閲覧や
いうものである。
意思決定サポーター
・定期的な訪問(月2回、
1回1時間まで)
・行政手続きへの同行など
を含む本人の意思決定支援
・.$(58カードや3D\3D\
アプリの使い方相談支援
※直接的な金銭管理や代理
行為はしない
第3節 〈特集①〉高齢者の経済生活をめぐる動向について
ポーターによる意思決定支援、③入院・入所費用
大川市の取組み~簡易な金銭管理・意思決定支援~
大川市おひとりさま支援事業における各主体の役割等
・意思決
定サポーター
の登録・
管理・マッチ
ング・
・本人へ
のモニタリング
られない者
者へ定期的な訪問を行うとともに、行政手続きへ
の同行などを含む本人の意識決定への支援を行っている。
三つ目の入院等費用支払い支援は、入院時などに本人が金融機関に行けない場合の入院費の振り込みについて、
通帳や印鑑がなくても病院の請求に基づき市と協定を締結した金融機関から振り込まれるというものである。
事業効果
令和6年 12 月末時点で支援事業を3名が利用しており、意思決定サポーターは8名が登録されている。事業
の利用によって、意思決定サポーターの支援を受けながら、自分のための買い物や将来に向けた貯金など、お金
の使い方を利用者自身で決めることができるので、利用者のやってみたいことが広がり、生活が充実したものと
なっている。また、市、社協、市成年後見センター、金融機関、医療機関、さらには弁護士・司法書士・社会福
祉士といった専門職チームなどと、現状の認識や連携の必要性に関する理解が促進された。
今後の展開
今後も人口減少が進んでいくことが見込まれる中で、人材不足に対応していく必要がある。例えば、意思決定
サポーターを専門職ではなく身近な住民が担えるような役割を検討し、気軽に関わってくれる人たちを増やすた
めに、社会モデルを学び当事者と対話する演習を中心とした研修を継続的に実施していくことを考えている。
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