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若年層のワクチン忌避、社会的孤立より「孤独感」が影響 (1 ページ)

公開元URL https://www.isct.ac.jp/plugins/cms/component_download_file.php?type=2&pageId=&contentsId=1&contentsDataId=1664&prevId=&key=5a1468ff3b611764f29ffecbea19a789.pdf&fileName=sciencetokyopr20250603-goto
出典情報 若年層のワクチン忌避、社会的孤立より「孤独感」が影響(6/3)《東京科学大学》
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2025 年 6 ⽉ 3 ⽇
東京科学⼤学

若年層のワクチン忌避、社会的孤⽴より“孤独感”が影響
−都内⼤学⽣を対象とした調査で孤独感がワクチン接種の
⼼理的障壁となることを実証−
【ポイント】
○都内の⼤学⽣約 3,000 名を対象とした調査から、
「孤独感」
(望ましい⼈間関係が得ら
れないという主観的感情)は、新型コロナワクチンをためらう主な⼼理的リスク因⼦
であることが⽰されました。
○⼀⽅、
「社会的孤⽴」
(⼈と会う頻度が少ないという客観的状況)とワクチン忌避との
間には、明確な関連は⾒られませんでした。
○孤独を抱える学⽣は、そうでない学⽣に⽐べて約 2 倍の確率でワクチン接種をためら
う傾向がありました(年齢・性別・健康状態などを統計的に調整後も有意)

○今後、⼤学や地域社会における感染症対策には、学⽣の孤独感を軽減するための⼼理
的サポートや交流機会の確保が重要となる可能性が⽰唆されます。
【概要】
東京科学⼤学(Science Tokyo)⼤学院医⻭学総合研究科の後藤⼣輝助教、同 公衆
衛⽣学分野の藤原武男教授、東京外国語⼤学の中⼭俊秀教授、⼀橋⼤学の佐藤主光教
授らの研究チームは、四⼤学連合ポストコロナ社会コンソーシアム(注)によるプロジェ
クトとして、⼤学⽣の新型コロナワクチン忌避⾏動において、
「社会的孤⽴」ではなく
「孤独感」がリスク要因であることを明らかにしました。
本研究は、都内 4 ⼤学の学⽣約 3,000 名を対象として 2022 年 3 ⽉に実施したオン
ライン調査に基づいています。分析の結果、孤独感を有する学⽣は、そうでない学⽣と
⽐べて、ワクチン接種をためらう傾向が約 2 倍⾼いことが明らかになりましたが、社
会的孤⽴とは関連がみられませんでした。
新型コロナウイルスの感染拡⼤により、⼤学⽣は対⾯授業の減少や外出⾃粛によっ
て交流の機会が制限され、孤独を感じやすい状況に置かれていました。若年層におけ
るワクチン接種は、感染拡⼤の防⽌や重症化の予防において極めて重要ですが、その
忌避に⾄る⼼理社会的背景は、これまで⼗分に解明されていませんでした。
本研究成果は、孤独感がワクチン忌避に与える影響を科学的に⽰したものであり、
今後の⼤学等における感染症対策では、学⽣の孤独感に配慮した環境整備や⼼理的サ
ポートの重要性を⽰唆しています。
本成果は、5 ⽉ 21 ⽇付で国際科学誌「Scientific Reports(サイエンティフィック・
リポーツ)
」誌に掲載されました。
(注)2024 年 10 ⽉に東京医科⻭科⼤学と東京⼯業⼤学が統合し、東京科学⼤学が誕⽣したことにより、現在は
「三⼤学ポストコロナ社会コンソーシアム」として活動を推進しています。