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国民に適切な病院医療を安定的に提供するための提言2025 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.hospital.or.jp/site/news/file/1749083654.pdf |
出典情報 | 国民に適切な病院医療を安定的に提供するための提言2025(6/4)《日本病院会ほか》 |
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3.休日夜間も「とりあえず診てくれる」病院が必要です
医療法で規定される「かかりつけ医機能」は、「主治医」や「かかりつけの医師」との混同もあり、国民や医
療者の理解が十分でないと考えられます。
医療法では「かかりつけ医機能」を、発熱・腹痛・嘔吐・下痢・頭痛・腰痛・呼吸困難などの症状に対して、
「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能」と位置付けてい
ますが、国民の多くは、こうした症状に対して「とりあえず診てくれる」医療機関を休日・夜間を含めて必要と
しています。
このような背景から、「かかりつけ医機能」を有する医療機関を制度上明確にし、その役割と必要性について
国民や医療関係者の理解が深まるよう取り組むことが重要です。あわせて、かかりつけ医機能を発揮しつつ、地
域で高齢者医療のニーズが増すなかで入院医療を担う病院の重要性にも、国民の理解が得られるよう国が取り組
むことを要望します。
4.地域において「まず診る」役割を担う総合的な医師=総合医が不足し
ており、医師偏在対策としても病院での総合診療機能の強化が求められま
す
2024 年 12 月に厚生労働省が策定した「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」に先立ち、当会で
は 2024 年 11 月に、医師偏在対策として、医師個人の意思を尊重した自発的な仕組みの重要性を訴えました。特
に、医師を重要インフラである“人財”と捉え、税制上の優遇措置や多様な働き方の推進など、医師 が魅力を感
じられる施策が求められます。
2040 年には 85 歳以上人口の増加と生産年齢人口の減少が見込まれ、多くの構想区域で手術件数が減少するこ
とが予測されています。このような将来像に対応するためには、特定の診療領域に偏らず、高齢者の多様な疾患
に総合的に対応できる「総合医」の存在が必要不可欠です。
当会では複数の病院団体と連携し、病院において総合的な診療を担う医師の養成を進めています。こうした医
師が交代しながら 24 時間 365 日体制で勤務することによって、
「とりあえず診てくれる」医療の提供が可能とな
り、かかりつけ医機能の充実や医師偏在の解消につながります。これらの機能に対する診療報酬での評価、およ
び総合医養成への支援を政府に対して強く要望いたします。
5.地方の生き残りと創生には“病院”の存在が不可欠です
全国に約 8 千の病院が存在し、約 210 万人の職員が就労しています。病院数の約 7 割が 200 床未満の中小病院
であり、地域の医療を支える重要な基盤となっています。一方、人口減少や物価上昇、消費税負担の影響を受け、
経営が困難な病院も少なくありません。こうした中で、病院は医療機関としてだけでなく、地域の重要な雇用の
受け皿としても機能しており、病院収入の約半分が人件費に充てられることで、地域経済に波及効果をもたらし
ています。
また、近年進む人口減少や働き方改革に対して、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務補完が
求められていますが、これに対応するための設備投資や人材確保には、国の積極的な財政支援が必要です。
新しい地方経済・生活環境創生本部提言にも示されているとおり、医療は日常生活に不可欠なサービスとされ
ています。今後の地方の生き残りと創生を進める上でも、医療の提供を担う病院の役割はますます重要となるこ
とから、その存続と機能強化のために、国による支援を強く訴えて 参ります。
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医療法で規定される「かかりつけ医機能」は、「主治医」や「かかりつけの医師」との混同もあり、国民や医
療者の理解が十分でないと考えられます。
医療法では「かかりつけ医機能」を、発熱・腹痛・嘔吐・下痢・頭痛・腰痛・呼吸困難などの症状に対して、
「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能」と位置付けてい
ますが、国民の多くは、こうした症状に対して「とりあえず診てくれる」医療機関を休日・夜間を含めて必要と
しています。
このような背景から、「かかりつけ医機能」を有する医療機関を制度上明確にし、その役割と必要性について
国民や医療関係者の理解が深まるよう取り組むことが重要です。あわせて、かかりつけ医機能を発揮しつつ、地
域で高齢者医療のニーズが増すなかで入院医療を担う病院の重要性にも、国民の理解が得られるよう国が取り組
むことを要望します。
4.地域において「まず診る」役割を担う総合的な医師=総合医が不足し
ており、医師偏在対策としても病院での総合診療機能の強化が求められま
す
2024 年 12 月に厚生労働省が策定した「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」に先立ち、当会で
は 2024 年 11 月に、医師偏在対策として、医師個人の意思を尊重した自発的な仕組みの重要性を訴えました。特
に、医師を重要インフラである“人財”と捉え、税制上の優遇措置や多様な働き方の推進など、医師 が魅力を感
じられる施策が求められます。
2040 年には 85 歳以上人口の増加と生産年齢人口の減少が見込まれ、多くの構想区域で手術件数が減少するこ
とが予測されています。このような将来像に対応するためには、特定の診療領域に偏らず、高齢者の多様な疾患
に総合的に対応できる「総合医」の存在が必要不可欠です。
当会では複数の病院団体と連携し、病院において総合的な診療を担う医師の養成を進めています。こうした医
師が交代しながら 24 時間 365 日体制で勤務することによって、
「とりあえず診てくれる」医療の提供が可能とな
り、かかりつけ医機能の充実や医師偏在の解消につながります。これらの機能に対する診療報酬での評価、およ
び総合医養成への支援を政府に対して強く要望いたします。
5.地方の生き残りと創生には“病院”の存在が不可欠です
全国に約 8 千の病院が存在し、約 210 万人の職員が就労しています。病院数の約 7 割が 200 床未満の中小病院
であり、地域の医療を支える重要な基盤となっています。一方、人口減少や物価上昇、消費税負担の影響を受け、
経営が困難な病院も少なくありません。こうした中で、病院は医療機関としてだけでなく、地域の重要な雇用の
受け皿としても機能しており、病院収入の約半分が人件費に充てられることで、地域経済に波及効果をもたらし
ています。
また、近年進む人口減少や働き方改革に対して、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務補完が
求められていますが、これに対応するための設備投資や人材確保には、国の積極的な財政支援が必要です。
新しい地方経済・生活環境創生本部提言にも示されているとおり、医療は日常生活に不可欠なサービスとされ
ています。今後の地方の生き残りと創生を進める上でも、医療の提供を担う病院の役割はますます重要となるこ
とから、その存続と機能強化のために、国による支援を強く訴えて 参ります。
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