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参考資料2_今後の医学教育の在り方に関する検討会におけるこれまでの主な意見について (1 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/124/mext_00011.html
出典情報 今後の医学教育の在り方に関する検討会(第9回 4/18)《文部科学省》
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参考資料2
今後の医学教育の在り方に
関する検討会(第9回)
R6.4.18

今後の医学教育の在り方に関する検討会におけるこれまでの主な意見について
1.大学病院の在り方について
【大学病院の現状】
<大学病院の制度・構造>


(国立大学病院において、
)過去 20 年で診療時間が延びた一番の理由は大学の法人化によるもので
はないか。毎年、運営費交付金が 1%ずつ減少し、それを各大学で回収するために病院も臨床助教と
いう臨床を主とする助教を増やした。そこに働き方改革も加わり構造上の問題が重なっている。



医師数総量の問題は、医師の養成数が増えない以上医師だけで解決しようとしないことが研究・教
育・診療の質を考える上で重要。
(論文数等の量的な面でなく、)質的な面についても問題がないかど
うかを考えてみる必要がある。



医療法上、病院の類型は、一般病院、特定機能病院、地域医療支援病院、精神病院、結核病院に区分
されるが、
(教育・研究・診療というその使命・役割等に鑑みれば、)大学病院はどの類型にも合致し
ないため、医療法上の病院の類型に「大学病院」という類型を新たに規定することが必要。また、大
学病院で勤務し、教育・研究・診療を担う医師に適合した勤務体系が労働基準法上にない。

<財務・経営状況等>


大学病院が重症患者を中心に診るべきということはそのとおりだが、
(医学教育上臨床現場の多様な
症例を学ぶ必要があることに鑑みれば、
)重症患者に特化してしまうと、教育上必要な症例を学ぶ機
会を失ってしまう。専門医を取得するためには重症でない患者を診る必要があり、大学病院が重症
患者を診るべきだという議論が行き過ぎて、それ以外の患者を一切診ないというのは非常に危険。
大学病院の材料費率の高騰は、重症患者を中心に診ていることが一因ではないか。



大学病院は、不採算部門であっても、教育病院として各診療科を堅持しており、他の病院のように経
営のために採算部門に特化するということもできない。人員を動かせる柔軟性もなく、ポストも増
やせない。このため、収益率が下がるというどうしようもない問題がある。



大学病院における借入金の推移に関して、新規の債務が増えていく中で附属病院において医業収益
を上げ続けなければ運営が滞ってしまう状況を改善できないか。



国立大学病院の業務損益について、令和 2、3 年はコロナの補助金が大量に入っている。大学病院の
勤務医は、1.5 倍忙しくなり、むしろ収益性は悪くなっているという構造的な問題がある。



コロナ禍で大学病院は病床の一部を制限していたが、材料費率が高騰している中で、現在の受診患
者数のまま病床稼働率をコロナ禍以前の水準まで戻すと、恐らく全ての病院が赤字化するのではな
いか。



大学病院は、多くの高度な機器を使う装置産業、かつ医師、看護師を大量に必要とする労働集約型産
業でありお金がかかる。さらに、光熱費、医薬品等の高騰も影響する一方、保険診療は公定価格のた
め価格転嫁ができない。今の日本の医療保険制度は高度急性期病院に非常に厳しい仕組み。大学病
院はこのコロナ禍で、各地域の最後の砦として大きな役割を果たしたが、これが続けられなくなっ
てしまう恐れがあり、厚生労働省をはじめ関係者が一丸となって次の手を考える必要がある。



私立大学経常費補助金は大学の運営経費の約 3%から 4%にすぎない。その意味では、国立大学と私
立大学の違いを認識した上で、議論をする必要があるのではないか。

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