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資料1-3 学会からの要望書 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24579.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年度第31回 3/22)《厚生労働省》
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患者に対してソツマトロピン治療を行い、その効果を確認できた症例も数多く記載されてお
りますが、医療安全が重視される現在では禁忌事項のまま使用するのは、保険診療上の問
題、医事紛争等の一因になる可能性が危伺され、やはり深刻な問題があります。

糖尿病合併例に対するソマトロピン使用については、以下の様に報告されており、糖尿

病合併は、ソマトロピン使用に対する禁忌とはならないと考えられます。

1. 血糖コントロールが不十分な 2 型糖尿病を合併した患者へのツマトロピン治療は、長
期的にインスリン抵抗性を改善する可能性が指摘されていること(Ahn et al. 2006)。ま
た、成長ホルモン治療について、米国臨床内分泌会議ひのガイドラインには、ソマトロ
ビン治療が糖尿病治療薬の増量を必要とする可能性はあるが禁忌とは記載されていな
いこと (Moliitch et al. 2011) 。

2. 1 下す糖尿病を合併していても、インスリン量の調整を適切に行うことにより、ソマトロ
ピン治療を行いながら糖尿病のコントロールが可能であった症例の報告があること (藤
校ら 1996: Bonfig et al. 2013: Zucchini et al. 2014: Bonfig et al. 2019) 。

3. 欧米絹の主要各国では、 糖尿病合併症例に対する主要ツマトロピン製剤は慎重投与の扱
いで禁忌ではないこと (Genotropin@、Norditropin@、Humatrope@の海外添付文書)。

4. 最近承認された long acting GH 製提であるソマプシタンの第 3 相試験では、精尿病患者

禁忌にするような安全性上の懸念はなかったことから、糖尿病合併例にも投与可能
であること (ツマプシタン添付文書)。

一方で、糖尿病患者におけるソンマトロピン投与は、一部に糖尿病が悪化する症例がある
こと (Allen et al.2016: Beck-Peccoz et al. 2019) 、動物実験では成長ホルモンによって血中濃
度が増加する IGEF-I が糖尿病網膜症を悪化させる可能性が示唆されていること (Ruberte et
al.2004) から、慎重投与とすべきであり、注意を喚起することも同時に重要と考えます。

以上の点を踏まえてソマトロピン適用疾患において精尿病合併症例に対して禁忌から慎
重投与への添付文書の改訂を希望いたします。
科白

【参考文献】

@ 。 AhmCW et al. Effects of growth hormone on insulin resistance and atherosclerotic risk factors
in obese type 2 diabetic patients with poor glycaemic control. Clin Endocrinol 64:444-9, 2006

信。 Allen DB et al. GH safety workshop position paper: a critical appraisal of recombinant human
GH therapy in children and adults. Eur J Endocrinol 174(2):1-9, 2016

@ Bcck-Peccoz P et al. No increased risk of glucose metabolism disorders in adults with growth

hormone deficiency undergoing long-term treatment with biosimilar somatropin (Omnitrope⑧⑤):
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