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資 料1  感染症安全対策体制整備事業(令和4年度)実績報告 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35947.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和5年度第1回 10/31)《厚生労働省》
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合計 5 点で希釈し日を変えて3回し測定した。定量法は定性法測定時に、核酸量既知のスタンダード
DNA(国立感染症研究所ウイルス 1 部より分与)または in-house スタンダードを用いて定量した。
[参加施設:日本赤十字社、北里環境科学センター、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社]
値付け値の算出
CHIKV、ZIKV とも定性法では、国内参照品と国際標準品測定時の log 希釈倍率を横軸、logCt 値を縦軸
にプロットし、平行線定量法により国際標準品を 1 とした時の相対力価として国内参照品の核酸量を算出し
た(表 1 下段、表 2)。定量法では、国内参照品と国際標準品測定時の log 希釈倍率を横軸、log コピー数を
縦軸にプロットし、平行線定量法により国際標準品を 1 とした時の相対力価として国内参照品の核酸量を
算出した(表 1 上段、表 2)。定性法と定量法の幾何平均値を値付け値とし (表 3,表 4),国内参照品 3 種類
(CHIKV SL11131、CHIKV Mal 09-02、CHIKV DOM14.73)それぞれ,6.523 Log10 IU/mL, 7.20 Log10
IU/mL 及び 6.99 Log10 IU/mL であ った 。 また ,ZIKV は 国内 参 照品 (ZIKV PRVABC599)は 6.99
Log10IU/mL であった。絶対値としては、プロビット法を用いた最尤推定法により 63%が陽性となる時の希釈
倍率を算出し 、測定に用いた検体量、抽出容量、PCR 反応に用いた容量を考慮した換算係数を考慮して
NAT detectable units/mL として算出した(定性法を用いた国際標準品の値付け方法に準じている)(図 2)。
参加施設が少なかったため、相対評価による施設間差の減少は認められなかった。
3.

考察と課題
チクングニアウイルス、ジカウイルスの核酸検査のための国内参照品の整備
本事業において、今年度は蚊媒介性ウイルスであるチンングニアウイルス、ジカウイルスの国内参照品を
整備した。2014 年のデングウイルスの国内発生のように、チクングニアウイルスおよびジカウイルスに感染し
て日本へ渡航または帰国して蚊にさされた場合、ヒト-蚊-ヒトのサイクルでアウトブレイクが起きる可能性は
否定できない。感染症のアウトブレイクの際には、新型コロナ感染症の時のように複数の施設で PCR を実
施する可能性があり、アッセイごとに検出できる核酸量は技術的に大きな差はないと考えられるが、測定キ
ットにより測定に必要な検体量、抽出量、PCR 反応に用いる検体量が異なるため、採取検体のウイルス量
がどこまで薄くても検出できるかに当たる検体ごとの検出感度は測定施設ごとに異なると考えられる。今回
の共同測定においても表 3 に示すように 63%の確率で検出できる検体の希釈倍率は 4 施設で約 100 倍異
なった。しかしながら、測定に必要な検体量、抽出量、PCR 反応に用いる検体量を考慮して換算すると、表
1、表 2 に示すように施設間差はハーフログ程度に狭まることが確認でき、抽出効率を考慮した国内参照品
を整備しておくことの有用性が改めて示唆された。
今後は必要に応じて、国立感染症研究所への依頼により次世代生物学的製剤研究センターより参照品
を提供できるしくみを整える予定である。また、本参照品の力価は IU/mL 単位で表示されているため、世
界で使用されている核酸検査キットの感度とも比較でき、血液の安全性の確保や公衆衛生の維持に有用
であることが示唆された

4.

海外における血液安全に関する情報の収集および交換
WHO の血液安全に関するカンファレンスに定期的に参加し,感染症リスクの早期察知および評価に基
づく安全対策の検討を行った。また,国立感染症研究所の病原体関連部署と連携し,情報の収集や交換
を行った。
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