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【参考資料2】第5回委員会 資料3 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35321.html
出典情報 医薬品等行政評価・監視委員会(第13回 9/20)《厚生労働省》
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った重要な観点を考慮しているとは言えない、漫然と実施される従来型の使用成績調査と
なんら変わりがない科学的な妥当性に欠けた研究デザインは見直すべきである。
5.リスクコミュニケーションにおける“誠実”と科学性
リスク最小化活動が奏功しているかを評価することが欧米では当たり前の課題であると
聞くが、日本ではどうか。例えば、添付文書の改訂、緊急安全性情報(イエローレター)や
安全性速報(ブルーレター)の発出などの注意喚起の行政的アクションが、本当に医療者や
患者さんの行動変容につながっているのか、科学的に検証する必要があるのではないか。
そして、リスクコミュニケーションにおいては、利害関係者としての患者、一般国民の声
を取り入れ “誠実”であることにより国民の信頼を得ることが、施策の有効な実施を可能
にするために重要である。現在、ワクチンの安全対策とリスクコミュニケーションが重要な
課題であるが、過去の薬害事件などの教訓を活かしたものとなっているのであろうか。行政
は副反応の詳細な分析に科学的に取り組み、国民に対して公正な立場から、科学に立脚した
情報の公表、安全性評価、行政措置の理由などを「真摯」に説明しないと、いつまでたって
もワクチンや医薬品の安全対策に対する国民の信頼が得られず、デマや憶測、行政への不信
を生む土壌となっているのではないか。
6.薬剤疫学専門家の育成とアカデミアの活用
疫学研究を計画し実施する場合、あるいはレセプトデータベースや MID-NET などのデ
ータベースを活用した調査研究を行う場合、適切な疫学の教育を受け、薬剤疫学研究に関す
る知識と技量を持つ人が研究に携わることなしに、
「確からしい」
「妥当性のある」成果は得
られない。行政における人材育成については、数年で担当部署が変わる厚労省、あるいは現
在の PMDA 内部及びその出身者のみでこのような人材育成が可能であるか疑問である。薬
害肝炎検証委員会の「最終提言」が示すとおり、大学・大学院等の教育機関において「正規
の」教育を受けた薬剤疫学専門家を育成することが必要である。したがって、科学性が必要
とされる医薬品等の安全対策に関する行政の意思決定においては、現状のような専門協議
という形態ではなく、より積極的に外部専門家を活用する体制を構築することが肝要では
ないか。
日本の行政組織の意思決定におけるアカデミアの活用形態は、公共に開かれた
Adversarial なアメリカ型でもなく、イギリスのような学問の自治を尊重しつつ信託する
Patronage 型でもない、閉じた空間での合意形成(Consensual)という、透明性の確保に
は程遠い状況である。
7.PMDA の組織形態および業務のあり方に関する疑問
ヒアリングにもとづき、以下の点について疑問が出された。
1)疫学専門家の組織上の位置づけ
PMDA 内の疫学専門家が審査部門や安全対策部門の業務にどのように関与しているのか
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