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参考資料3_今後のがん研究のあり方について(報告書) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34935.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第14回 8/30)《厚生労働省》
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Ⅱ 目標とするがん医療と社会の姿(今後のあるべき方向性)
今、がんと闘い、ともに生きる患者とその家族にとっての共通の思いは、第
一にがんの根治である。これまでの研究成果により、生存率の改善が図られて
きたが、膵がんや胆道がんのように未だ治療困難ながんが多く存在すること、
がん死亡者の約50%は5年生存率50%以下の難治性がん患者であることか
ら、がんによる死亡者数を減少させるためには、アンメットメディカルニーズ
の高い難治性がんの根治をめざすことの重要性を改めて認識する必要がある。
このためには、有効で安全な新しい治療法(手術療法・放射線療法・薬物療法
等)が開発されることや、最も効果の期待できる治療法の組み合わせ(集学的
治療)の開発と最新の標準治療として確立・普及することが必要である。また、
ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグが解消され、諸外国で受けられる有効な治療
が日本でも遅れることなく同じように受けられることが必要である。その結果
として、がん患者の生存率をさらに上昇させ、死亡率を減少させることが求め
られている。
さらに、がん患者とその家族は、がんと闘いともに生きる中で、同時に身体
的苦痛、精神心理的苦痛、社会的苦痛など、様々な苦痛とも闘っている。こう
した苦痛の軽減には、低侵襲な診断法、治療法の開発等により、診断のための
検査や根治を目指した治療に伴う苦痛が少しでも軽減されるとともに、がんそ
のものによるあらゆる苦痛を軽減するための治療やケアの手法を開発し、普及
することが求められている。また、こうした治療の前後で家族全体の生活の質
が維持されることが必要である。
こうした、がん患者とその家族の苦痛を軽減するためには、多様化するニー
ズに対応することが求められる。小児、働く世代、高齢者等、患者のライフス
テージや個々のがんの特性によって、患者とその家族のニーズは異なっており、
今後はそれぞれのニーズに応える医療と社会の実現をめざした研究を推進する
ことが必要である。
例えば、小児がん患者とその家族にとっては、根治をめざした新しい治療法
が早期に実用化され、治療の選択肢が増え、有効で安全な治療にアクセスでき、
治療後の晩期合併症や就学・就職をはじめとする社会復帰等に関する問題につ
いての不安や困難が軽減されることが必要である。働く世代の患者とその家族
にとっては、根治をめざした体への負担がより少ない治療法を早期に実用化し、
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