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感染症週報 2023年第28週(7月10日-7月16日) (14 ページ)

公開元URL https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2023.html
出典情報 感染症週報 2023年第28週(7月10日-7月16日)(7/28)《国立感染症研究所》
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Infectious Diseases Weekly Report Japan

2023年 第28週
(7月10日〜 7月16日)
:通巻第25巻 第28号

ヘルパンギーナ:第1〜28週における累積報告数の年齢分布(2017〜2022年)

0歳

1歳

2歳

3歳

4歳

5歳

6歳以上

2017 年
(n=24,603)

10.7%

32.1%

20.6%

12.7%

9.2%

6.0%

8.6%

2018 年
(n=22,378)

8.5%

29.9%

21.6%

14.4%

10.7%

6.3%

8.5%

2019 年
(n=33,473)

11.8%

32.5%

21.9%

12.7%

8.7%

4.9%

7.5%

2020 年
(n=3,809)

11.1%

35.4%

18.6%

10.7%

6.8%

3.7%

13.7%

2021 年
(n=5,818)

7.4%

31.3%

26.3%

14.1%

7.9%

4.4%

8.5%

2022 年
(n=6,187)

8.5%

29.5%

25.3%

15.2%

8.5%

4.7%

8.4%

* 累積報告数は、各年第28週の集計時速報値 (参照)
IDWR速報データ:https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html

また、2023年第1〜28週のそれぞれの年齢(群)別の累積報告数は、2017~2022年のそれぞれ
の年齢(群)別における第1~28週の累積報告数を上回っていた(2023年に割合が減少した
0歳、1歳においても、報告数はそれぞれ2017~2022年の各報告数を大きく上回っていた)。
ヘルパンギーナの患者から検出されるウイルスの種類、分布は年によって異なる。病原体検出
情報システムによると、直近5年間にヘルパンギーナ患者から分離・検出され報告されたそれぞ
れの年の主なウイルスは、多い順に、2019年はCA6、次いでCA5、2020年はCA4、次いで
CA2、2021年はCA4、次いでCA6、2022年はCA6、次いでCA4、CA2の割合が多く、2023年
は7月20日現在で全91件中、CA2が半数近くを占めていた(ヘルパンギーナ由来ウイルス 年別
2019〜2023年:https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr/510-surveillance/iasr/graphs/1532iasrgv.html)。
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症はRSウイルス(RSV)を病原体とする、乳幼児に多く認められる急性呼吸
器感染症である。潜伏期は2〜8日であり、典型的には4〜6日とされている。主な感染経路は、
患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手指や物品等を介した接触感
染である。生後1歳までに50%以上の人が、2歳までにほぼ100%の人がRSVの初感染を受ける
が、再感染によるRSウイルス感染症も普遍的に認められる。初感染の場合、発熱、鼻汁などの
上気道症状が出現し、うち約20〜30%で気管支炎や肺炎などの下気道症状が出現するとされ
る。乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の約50〜90%がRSVによるとされる。また、早
産の新生児や早産で出生後6カ月以内の乳児、月齢24カ月以下で免疫不全を伴う、あるいは
血流異常を伴う先天性心疾患や肺の基礎疾患を有する乳幼児、あるいはダウン症候群の児は
重症化しやすい傾向がある。さらに、慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者における
RSウイルス感染症では、肺炎の合併が認められることも明らかになっている。ただし、年長の
児や成人における再感染例では、重症となることは少ない。
RSウイルス感染症が重症化した場合には、酸素投与、輸液や呼吸器管理などの対症療法が
主体となる。また、早産児、気管支肺異形成症や先天性心疾患等を持つハイリスク児を対象に、
RSウイルス感染の重症化予防のため、ヒト化抗RSV-F蛋白単クローン抗体であるパリビズマブ
の公的医療保険の適応が認められている。
Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases

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