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参考資料3_今後のがん研究のあり方について(報告書) (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34414.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第13回 7/27)《厚生労働省》
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「国民との協働」
また、新たな研究戦略に基づくがん研究は「基本計画」の全体目標と、それ
を踏まえた「Ⅱ 目標とするがん医療と社会の姿(今後のあるべき方向性)」の
達成をめざして国民のニーズに沿って推進されるべきであり、学会との連携等
を通じて、研究成果等を国民に積極的に公開し、国民ががん研究に参加しやす
い環境を整備するとともに、がん研究に関する教育・普及啓発を進めることが
求められる。また、産学連携研究の活性化に伴い、研究推進における利益相反
マネジメント体制の整備は重要な課題であり、その適正な運用に関して、国民・
患者の参画が求められるとともに、その透明性の維持が必須である。
「がん研究者の育成」
がん研究の継続的な推進を図るためには、次代を担う若手研究者への支援が
必要不可欠であり、日本発のイノベーティブな科学的エビデンスを創出するた
め、医学・薬学・生命科学にとどまらず、生物情報学・生物統計学・医学物理
学・放射線生物学・社会科学等、幅広い分野の柔軟な発想を持った人材をがん
研究領域に取り込み、積極的に育成することが必要である。そのためには、大
学および大学院等におけるがんに関する教育の充実を図りながら、一貫した戦
略的な研究者育成システムを確立することが重要であり、橋渡し研究をはじめ
とするがん研究の推進に必須である多様な研究領域に従事する、レジデント、
放射線治療等分野の研究者、臨床試験コーディネーター、データマネージャー
等の各種専門職を育成することが求められる。その際、がん研究への女性研究
者の参画促進と、安定したポストを国内に創出することによる若手研究者支援
が急務である。また、近年、停滞がみられる国際化の推進のためにも、留学支
援を含む若手研究者による国際交流を強力に支援する必要がある。なお、こう
したがん研究者の育成は、アカデミアのみが取り組むべき課題ではなく、バイ
オベンチャーを含む企業を巻き込むことで、幅広い議論を行い、キャリアパス
の育成支援を行うことが必要である。
さらに、個々の研究を効果的に推進するためには、それぞれの研究分野の特
性に着目した以下の基盤整備が求められる。
新たな予防法や早期発見手法の開発のためには、健常時から医療受給中、治
療後の期間を通じた健康・医療情報を大規模に集積する前向き介入研究が求め
られるため、対象者の捕捉と追跡を効率的に行うことができる安定的かつ長期
的な仕組みを構築することが求められる。同時に、健常者を対象とした前向き
介入研究の運用のあり方についても明確にされることが望まれる。また、高精
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