2017年09月06日(水)

注目の記事 [診療報酬] 重症度、医療・看護必要度、DPCとの相関検証を決定 入院分科会

診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会(平成29年度第7回 9/6)《厚生労働省》
発信元:厚生労働省 保険局 医療課   カテゴリ: 30年度同時改定 診療報酬 医療制度改革
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今回のポイント

●診療報酬調査専門組織の入院医療等の調査・評価分科会は9月6日、「重症度、医療・看護必要度」とDPCデータの相関検証のシミュレーションを行うことを正式了承
○【データ提出加算】は、【回復期リハビリテーション病棟入院料】、【療養病棟入院基本料】での算定要件化などが論点に
○2018年3月末で廃止予定の【療養病棟入院基本料2】(25対1)については、多様な入院患者を抱えている現状がデータから明らかになり、介護医療院への移行が妥当な病棟と、医療必要度が高い患者が多い病棟とで評価を分けるべきとの意見も

 診療報酬調査専門組織の入院医療等の調査・評価分科会は9月6日、【7対1一般病棟入院基本料】の算定要件となっている「重症度、医療・看護必要度」について、DPCデータとの相関を検証するシミュレーションを行うことを正式決定した。DPCデータへの置き換えも視野に入れての検証だが、一部、置き換えに否定的な委員がいることや、検証手法を十分議論するよう求める慎重意見があることなどから、結果を直近の2018年度改定に反映させるのは難しそうだ。
  
 
 シミュレーションに使用するのは、2016年10月~12月に厚生労働省に提出された、7対1一般病棟のDPCデータ。「重症度、医療・看護必要度」(A~Cの3区分)のうちA、C項目は、DPCデータのEFファイル(医科点数表に基づく出来高点数情報)との相関を検証。その際、相互の項目を1対1で突合させるのではなく、EFファイルの診療区分を複数組み合わせたり、該当期間の日数を追加したりするなど、一定の補正を行う。B項目の検証には、Hファイル(カルテからの日別匿名化情報)でのB項目判定データを活用。さらに現行の「重症度、医療・看護必要度」と、それに対応させたDPCデータそれぞれで、該当患者割合を算出し、分布状況の比較も行う(p59参照)(p67参照)
 
 厚労省が示した、A、C項目と複数のDPCデータを組み合わせて突合させるイメージ例によると、「重症度、医療・看護必要度」の「呼吸ケア」(A項目)と、DPCデータの「酸素吸入」を1対1で対応させた場合、相関度合いを示す「ファイ係数」の値は0.72(マイナス1からプラス1までの値で表示し、値が大きいほど相関が強いと解釈)。だが、対応させるDPCデータを「突発性難聴に対する酸素療法」、「酸素テント」などを加えた9項目に増やし、9項目いずれかに該当したケースに対象を拡大すると、ファイ係数は0.77に上昇するという(p54~p56参照)
 
 
◆回復期リハ、療養での【データ提出加算】の算定要件化が論点に
 
 分科会ではこのほか、【データ提出加算】と【療養病棟入院基本料】についても議論した。【データ提出加算】は、DPCデータを厚労省に提出している場合に算定できる加算点数。7対1病棟、10対1病棟(一般病床200床以上に限る)、地域包括ケア病棟では入院基本料・入院料の算定要件になっているが、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟は算定対象病棟ではあるものの、要件化はされていない(p6参照)。このため厚労省は今後の論点として、▽回復期リハ病棟、療養病棟における算定要件化▽患者の特性の違いに着目した項目の追加や入力頻度の設定-を提案。療養病棟については、事務負担軽減とデータ利活用の観点から、「医療区分・ADL区分」とDPCデータの提出項目を整理し、一本化の可能性を探ることについても検討を求めた。
 算定要件化する病棟を拡大する方向性について大方の委員は賛意を示したが、病院関係者の委員は、現行の10対1病棟のように200床未満の小規模病院を当面は対象から外すなど、一定の経過措置を講じた後、段階的に拡大していくことを要望。もともと急性期病棟向けに開発されたDPCデータの項目を慢性期病棟にそのまま適用するのは困難として、慢性期病棟向けの項目の検討を求める声も複数の委員からあがった。
 
 
◆療養2の対応を医療に残る病棟と介護医療院移行病棟で分けるべきとの声も
 
 【療養病棟入院基本料】では、厚労省が提出した【療養病棟入院基本料2】(看護配置25対1)算定病棟に関するデータに複数の委員が着目。それによると、【療養2】は全体としては、医療区分1の患者割合(38.7%)が、【療養1】(9.7%)よりも高いものの(p85参照)、個別医療機関でみると、病棟における医療区分2・3患者の割合が50%を超える医療機関が7割弱を占める一方で、【療養1】の基準並みの80%を超える医療機関や、50%に満たない医療機関も存在するなど、多様な患者を抱えている実情が浮き彫りになった(p86参照)
 【療養2】の算定病棟は、2018年3月末で終了する経過措置の延長がなければ、廃止される予定だが、神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は、「療養2の患者には多様性があり、介護医療院へ移行するところと、医療としてやっていかねばならないところと2類型に分かれるのかな、という印象を受けた」と指摘。池端幸彦委員(医療法人池慶会理事長)も、「介護医療院に行けないから行かないのではなく、(医療必要度の高い)患者がいるから行けないところもあると思う。これを全部つぶすのは無理で、何らかの救済が必要」と述べた。

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