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2018年01月05日(金)

注目の記事 [改定速報] 中医協は個別改定項目の議論へ、注目は入院料の統合・再編

診療報酬改定論議のゆくえ(1/5)《厚生政策情報センター》
発信元:厚生政策情報センター   カテゴリ: 診療報酬 30年度同時改定

今回のポイント

●診療報酬本体の改定率が0.55%の引き上げで決着したことを受け、今後の中央社会保険医療協議会の議論は国費ベースで588億円の改定財源を個別点数にいかに配分するかに焦点が移る
○2018年度診療報酬改定の最大の目玉は、▽急性期入院医療▽集中的なリハビリテーションの提供や退院支援▽長期療養-病棟機能に応じて、3区分に統合・再編される入院料の見直し
○このほか、大病院外来に紹介状なしで受診した場合の定額負担の対象拡大や【地域包括診療料】の算定要件見直し、オンライン再診および医学管理の評価(遠隔診療)、複数診療科の医師による訪問診療の評価などが、論点になる見通し

 昨年末の2018年度予算編成過程で、診療報酬本体の改定率は0.55%の引き上げで決着した。今後の中央社会保険医療協議会の議論は、国費ベースで588億円の改定財源を個別点数にどのように配分するかが焦点となる。順当にいけば1月中下旬に個別改定項目の概要が明らかになり、2月上旬には諮問・答申となる見通しだ。
 
 2018年度診療報酬改定で最大の目玉となるのが、入院料の見直しだろう。現在の急性期から慢性期の入院料を病棟が担う機能で、▽急性期入院医療(【7対1、10対1一般病棟入院基本料】)▽集中的なリハビリテーションの提供や退院支援(【13対1、15対1一般病棟入院基本料】、【地域包括ケア病棟入院料】、【回復期リハビリテーション病棟入院料】)▽長期療養患者への入院医療の提供(【20対1、25対1療養病棟入院基本料】)-の大きく3類型に統合・再編。各類型とも看護配置や看護比率、平均在院日数など、病棟の基本的機能の評価(基本部分)に、診療実績に応じて変動する評価(実績部分)を上乗せする2階建ての仕組みとする。
 
 実績部分は、新たな評価指標が開発されるまでの過渡的措置として、2018年度改定では、急性期は「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」、長期療養は「医療区分2・3」の該当患者割合を採用する。急性期の報酬の基本部分は、現在の【10対1一般病棟入院基本料】を基準に設定する。実績部分の評価は、10対1と7対1との間に中間的評価を追加する3区分とし、最上位の評価には7対1の算定要件(看護配置7対1、看護比率7割、平均在院日数18日、看護必要度該当患者割合)を適用する方向。
 長期療養は現在の【20対1療養病棟入院基本料】に一本化するとともに、【25対1療養病棟入院基本料】は経過措置に位置づけ、報酬を一定率減額する。厚生労働省は、新報酬の基本部分の看護配置を20対1、医療区分2・3該当患者割合を50%とする案を示している。
 
 注目すべきは、看護必要度(急性期)と医療区分2・3(長期療養)の該当患者割合の設定がどうなるか。支払側は急性期の実績評価(看護必要度)の7対1相当部分(現行:25%以上)は基準引き上げ、長期療養については新報酬の基本部分の医療区分2・3を、20対1の本来の基準である80%以上とすることを要望。診療側は、7対1の看護必要度は据え置き、長期療養の医療区分2・3は厚労省案の50%以上とすることを求めており、意見が対立している。
 急性期で新設される7対1と10対1の中間的評価の報酬水準や、看護必要度の判定指標にDPCデータ(EF統合ファイル)を選択した場合の該当患者割合の基準、現行の【13対1、15対1一般病棟入院基本料】の見直しがどうなるかも、見逃せないポイントだ。
 
 
◆大病院外来の定額負担は対象拡大の方向
 
 外来関連では、大病院外来に紹介状なしで受診した場合の定額負担(初診5,000円、再診2,500円)の対象が現在の500床以上から拡大される。診療報酬上で500床以上の病院が要件になっている規定(【初診料】や【地域包括ケア病棟入院料】の算定制限など)が400床以上に変更される見通しであることから、診療側はこれに合わせて400床以上とすることを提案しているが、支払側は選定療養で患者からの費用徴収が認められる基準の200床以上までの拡大を求めている。なお、政府の改革工程表で実施が求められていた、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担徴収は、2018年度改定では見送られる。
 
 
◆オンライン再診・医学管理、CPAPの遠隔モニタリングを評価へ
 
 診療所の関係では、かかりつけ医機能を評価する目的で導入された【地域包括診療料(認知症地域包括診療料を含む)】の見直しが論点の1つになっている。当初想定したほど算定が進んでいないことから、厚労省は、在宅医療の提供と24時間対応を算定要件から外し、代わりに在宅に移行した、かかりつけの患者に訪問診療を行っている実績を診療報酬で上乗せ評価する仕組みを提案している。診療側が強く求めていた複数診療科の医師による訪問診療の評価も一定の条件下で容認されることになりそうだ。
 
 政府の未来投資会議の提言を受け、厚労省が早い段階から導入の意向を示していた、遠隔診療については、対面診療と組み合わせて実施する、「オンライン再診」と「オンライン医学管理」の評価が新設される。いずれも患者の事前同意や治療計画の策定など、一定の条件が課される見込みで、報酬水準は対面診療の場合よりも低くすることが提案されている。また、遠隔モニタリングの評価では、睡眠時無呼吸症候群の持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)の追加が検討課題にあがっている。
 
※この記事に資料はありません。

2018年10月25日より、資料名称、参照ページの表示を変更いたしました。
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